岡崎カメラ 作品発表会&トークライブを開催しました!

公開日:2020.03.17     まなぶ
カメラを持ってまちをめぐり、まちの人と交流を深めながら、写真を通じて地域の魅力を再発見・発信する「ローカルフォト」活動。その学びの機会として「岡崎カメラがっこう」が2018年から2期にわたって開催されました。

そして今、「岡崎カメラがっこう」の卒業生たちが活動するローカルフォトプロジェクト「岡崎カメラ」がはじまり、岡崎のまちと一緒にそこに住む人にスポットをあてて、笑顔や暮らしの様子を伝えています。

今回は、2020年2月23日(日・祝)、Camping Office osoto Okazaki(岡崎市能見通)で開催された「岡崎カメラ」の作品発表会と「地域を元気にする写真」の可能性について考えるトークイベントの様子をお伝えします!

ゲスト講師は、映画化も話題のこのかた!

写真家 浅田政志さん
日本写真映像専門学校を卒業後、スタジオアシスタントを経て独立し、2009年に写真集『浅田家』で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。道後オンセナート2018等、国内外での個展やアートプロジェクトで精力的に作品を発表されています。著書である『浅田家』、および『アルバムのチカラ』(ともに赤々舎刊)を原案とした映画『浅田家!』が2020年に公開予定です。

岡崎カメラ講師のおふたり

三村ひかりさん MOTOKOさん
三村ひかりさんは、岡崎市出身。現在は瀬戸内海の小豆島で暮らし、7人の女性のカメラプロジェクト「小豆島カメラ」で、日々の暮らしを写真に撮って発信しています。

MOTOKOさんはファッション・広告・音楽媒体など幅広いジャンルで活躍する写真家。全国各地でローカルフォトプロジェクトを行っています。三村ひかりさんが所属する「小豆島カメラ」を立ち上げたかたでもあります。

ローカルフォトとは、〝人と人をつなげる写真〞

まず最初に、写真を通じてまちを元気にする「ローカルフォト」について、MOTOKOさんからお話しをいただきました。

ローカルに暮らしているからこそ発見できる、まちの魅力を見つけ、まちの人たちと交流を深めながら、写真を通して人と人とが繋がり、自分たちのまちに誇りが持てるようになる。そんな素敵な考え方を教えていただきました。あくまでもカメラは、コミュニケーションツールなんですね。

また「3歩先(少し先)の未来を想像しながらシャッターを切ることで、夢を現実に近づける」というお話も心に残りました。
三村さんが活動する小豆島カメラでは、写真を見た人に「見たい、食べたい、会いたい。小豆島に行きたい!」さらには「小豆島で暮らしたい!」と思ってもらえるように、小豆島の3歩先の未来を想像しながら撮影、発信しているとのこと。実際に小豆島では移住者が増えているそうで、写真を通じて地域が元気になる、そんな素敵な未来へ動きだしているように感じます。

いよいよ岡崎カメラの作品発表!

作品発表会では、岡崎カメラのメンバーが一人ずつ、これまでの活動で撮影した写真を発表。
一人ひとり、どんなことに心惹かれて、シャッターを切ったのか語り、講師のみなさんから、さらに良い写真にするためのアドバイスをいただきました。

「赤ちゃんが大きくなったときに、カフェを営む両親のやさしさや仕事場の素敵な様子が伝わるといいな」という想いでシャッターを切ったという家族写真には、浅田さんから素晴らしい!とのコメント。誰かに喜んでもらえる写真は、被写体となる人だけでなく、撮影した自分にとっても喜びになっているとのお話しが印象的でした。

またMOTOKOさんからは最後の仕上げとして色の補正やトリミング(写真を必要な部分のみ切り取ること)についてのアドバイスが。「自分がどこに惹かれたのか?」を考えて仕上げを行うことで、より伝えたいことが引き立つ写真になることを学びました。

メンバーはそれぞれ、作品発表を通じて様々な学びを実感したようです。

トークセッション「家族と地域の可能性」

作品発表後は、浅田さんと三村さんによるトークセッションを開催。「家族と地域の可能性」についてお二人が撮影した写真を見ながらお話しいただきました。

浅田さんからは、専門学校の作品制作をきっかけに撮り始めた、ご自身の家族写真「浅田家」シリーズや他の家族の写真撮影を行う企画、そして東日本大震災で津波をかぶってしまった写真の洗浄プロジェクトのエピソードを。
三村さんからは、小豆島での暮らしや、ご家族を撮るために始めた写真が、小豆島カメラの活動へと広がっていったお話。そして「岡崎カメラがっこう」に関わったことで起きた、ふるさと岡崎への心境の変化(この企画を通じてあらためて岡崎のまちを知り、素敵な人々がたくさんいるまちだと感じるようになったそうです)をお話しいただきました。

あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、家族や故郷、そしてまちの人々への愛を感じるお話でした。

また、お二人には「写真を通じて人との関係性をつくっている」という共通点が。
浅田さんは毎年必ず家族写真を撮影されていて、写真があったからこそ、今の素敵な家族や地元との関係があり、三村さんも小豆島カメラの活動が、三村さんと小豆島の人々との素敵な関係につながっています。
岡崎は、都会と田舎の中間のようなところ。そのため、まちを深く知ることは難しいと感じてしまいますが、だからこそカメラを持ってまちに繰り出し、写真を通して岡崎の魅力を知ることがとても大切だと感じます。地元を知れば、興味がわき、興味を持てば、「見たい、食べたい、会いたい」と行動に移したくなる。写真にはそんな力があるのですね。
今回のイベントは、写真によって地域が元気になる可能性を知るとともに、岡崎には素敵な人々をはじめ、たくさんの魅力を持ったまちであると再認識するきっかけになりました。

岡崎カメラの活動は始まったばかり。メンバーの一人ひとりが、「岡崎カメラ」を通して、自分自身や写真に写る人、写真を見た人にとって、どのような「三歩先の未来」を実現するのか、今後の活動がとても楽しみです。