ローカルフォトプロジェクト「岡崎カメラ」の ステップアップ講座を開催しました!

公開日:2020.03.02     まなぶ
カメラを持ってまちをめぐり、まちの人と交流を深めながら、写真を通じて地域の魅力を再発見・発信する「ローカルフォト活動」。
岡崎市では、ローカルフォトの学びの機会として開催された「岡崎カメラがっこう」をきっかけに、その卒業生によって新たなローカルフォトプロジェクト「岡崎カメラ」が始まりました。
今回は「岡崎カメラ」のみなさんのスキルアップを目的に開催された、講座の様子をご紹介します!

講師のみなさん

「岡崎カメラがっこう」の第1回目から教えていただいているお二人。

三村ひかりさんは、岡崎市出身。現在は瀬戸内海の小豆島で暮らし、7人の女性のカメラプロジェクト「小豆島カメラ」で、日々の暮らしを写真に撮って発信しています。

MOTOKOさんはファッション・広告・音楽媒体など幅広いジャンルで活躍する写真家。全国各地でローカルフォトプロジェクトを行い、三村ひかりさんが所属する「小豆島カメラ」を立ち上げたかたでもあります。

カメラ編

特別講師 ソトコト編集部 竹中あゆみさん
カメラ編では特別講師として月刊「ソトコト」編集者の竹中あゆみさんをお招きしました。
竹中さんは香川県小豆島の「小豆島カメラ」、静岡県下田市の「下田写真部」、長崎県東彼杵町の「東彼杵探偵団」など、写真で地域を発信するグループの立ち上げに携わり、取材を通してさまざまな地域の今を発信しています。
カメラ編は2020/1/18(土)、Camping Office osoto Okazaki(岡崎市能見通)で開催。
午前中は、竹中さん、三村さん、MOTOKOさんから地域の魅力を発信する「ローカルフォト」の視点から「伝わる写真」についてお話いただきました。その後、実際にカメラを持ち、設定方法や撮影の際の光の取り入れ方など、カメラの基礎的な技術について学びました。

講義の中で印象的だったのは「何を伝えたいかを考えて撮る」ということ。例として見せていただいた「海辺の男女の写真」は「2人とも海を見ている」のか「少しだけお互いを見ている」という少しの違いでしたが、後者のほうが「とても仲良しなカップル」であるように感じました。素敵な風景を伝えたいのか、2人の素敵な関係を伝えたいのかによって、シャッターを切るべきタイミングが変わるのですね。

他にも、カフェで人物を撮る際に、自分が伝えたいことが「モデルさんの可愛さ」ではなく「その場所の空気感も含めた素敵さ」であれば、少し引いて周囲の様子も含めて撮るなど、伝えたいことによって構図を変えることの大切さを学びました。

とても貴重な実例写真を交えながら説明いただき、とてもイメージしやすかったです!
午後からはカメラを持って籠田公園へ。
「何を伝えたいのか考えて撮る」ことはもちろん、光の活用の仕方や前ボケ(被写体よりも手前にあるものを意図的にぼかすことで、写真に奥行や、ふんわりした雰囲気を出す手法)など、午前中に教わったことを活用しながらメンバー同士でポートレート撮影(人物をテーマとした写真撮影)を行いました。

その後は会場に戻り、それぞれメンバーが撮影したイチ押し写真の講評を行い、この日は終了。
岡崎カメラのメンバーからは「新たな技術の習得ができた」「今回学んだことを岡崎市の魅力の発信につなげたい」「写真と地域の可能性を改めて実感した」など充実した声が上がりました。

ライティング編

特別講師 井上 英樹さん 堀越 一孝さん
ライティング編では特別講師として井上 英樹さん 堀越 一孝さんをお招きしました。

井上さんは、雑誌やwebメディアなどで紀行文、人物ルポを中心に執筆されているかたです。これまでノーベル賞受賞者、ロックスター、宇宙飛行士など13年で、3000人近くのインタビューと執筆をされてきたそうです。

堀越さんは、MOTOKOさんとともに地方地域を“写真で元気にする”活動「ローカルフォト」を各地で実践されてきたかた。現在は、福井県小浜市を拠点に、同様の活動をしています。
ライティング編は2020/2/2(日)、wagamama house(岡崎市八幡町)で開催しました。
午前中は、「人物取材における基本的なインタビュー術」について、講義と井上さんの実践インタビューを見て学びました。

特に印象的だったのは、「読んでもらいたい文章」を書くために大切なことの一つとして「どんな人に読んでもらいたいかを想定する」こと。例えば、「自分の母親」に説明すると想定すると、その情報は必要なのか?この表現で伝わるのか?など、考えながら文章を書くことができるとのこと。確かに遠くに住んでいるお母さんに説明するのであれば、地理的な説明を入れたり、自分が当たり前だと思っている情報もわかりやすく伝えようと工夫しますよね。

「どこかの地域に住む見えないだれか」に対して、文章を書き進めるより、どんな人に読んでもらいたいか想定しながら書くことで、より「伝わる文章」となることを教えていただきました。
午後からは3チームに分かれて、それぞれリメイク古着の販売や子供向けのワークショップを行う「アバンダンティズム/岡崎ぎゃざ」、着物好きが通うという履物の店「さくらや本店」、品ぞろえ豊富な文房具店「ペンズアレイタケウチ」に取材訪問。
3店舗とも、みなさんとても気さくでまた行きたくなるお店ばかり!メンバーは午前中に学んだ取材方法を活かしながらインタビューを行いました。

その後、会場にもどり、撮影した写真を添えた400文字程度の取材記事を作成し、ひとりひとりに対する講評タイムへ。

井上さんはその場で文章を添削してくださり、たくさんの情報の中から何を伝えたかったのかメンバーから聞いたうえで、「情報の取捨選択」「どう表現すると目を引くのか」など的確なアドバイスをいただきました。

参加したメンバーからは、「同じ取材をしていたのにメンバーによって着眼点が違って面白い!」「読む人に興味を持ってもらう文章を書きたいと思っていたので勉強になった」などの声が聞かれ、文章を書くことの面白さを実感したようでした。
回を重ねるごとにメンバーが打ち解けあい、「自分が考える岡崎の魅力」は何か、互いの意見を出し合ったり、撮影方法を工夫しあっている姿が印象的でした。
「岡崎カメラ」が今後、どのような写真や文章で、岡崎の魅力を伝えていくのか、とても楽しみです!!

ローカルフォトプロジェクト「岡崎カメラ」の素敵な写真は下記のリンクからご覧いただけます!ぜひご覧ください。