岡崎市の中心部、人々が行き交うまちの中に、趣き深い蔵が姿を現します。創業は元禄3年(1690年、江戸時代初期)、今年で創業331年の歴史ある日本酒の蔵元「丸石醸造」です。
丸石醸造が造るお酒は、「水、米、造り、貯蔵」にこだわるバランスの良い日本酒。
現在は、主に4種のブランドを展開していて、どれも味わいやその味を楽しめる場所が違うそう。
一番歴史が古いのは、「三河武士」。地元三河地方のお米で造った伝統銘柄。お米のもつ旨味を引き出し、岡崎の名産「八丁味噌 ※」を使った料理にもぴったりなお酒です。
次に歴史があるのは「長誉」。古くからこの地で愛されている、甘口で飲みやすい岡崎の地酒です。
贈答品向けの「徳川家康」は特別な日に楽しめる、華やかな香りが特徴のお酒です。
そして、今、丸石醸造が力を入れているのは、6年前に立ち上げた「二兎(にと)」。地元だけでなく、日本国内、海外市場にも目を向けたお酒です。お米のうまみ(甘み)を最大限引き出し、良質できれいな酸で味を締める味わいが特徴です。どんな料理にも寄り添いあうように、職人が味と香、酸と旨、重と軽、甘と辛の繊細なバランスを試行錯誤して完成させました。2羽のウサギが向き合っているラベルも可愛らしく、女性が手に取りやすいのも人気の理由。「二兎」は特約店のみで販売していて、楽しめる場所も限られるので、見かけたら一度味わってみたいお酒です。
※ 八丁味噌・・・岡崎城から西へ八丁(約870m)の場所にある八帖町で作られることから「八丁味噌」と呼ばれるようになった、大豆と塩のみで作る豆味噌の銘柄。味は大豆の旨味を凝縮した濃厚なコクと少々の酸味、渋味、苦味のある独特の風味が特徴です。