ジャズの街・岡崎市のルーツとは?まちなかでジャズの生演奏を楽しめるイベントも

公開日:2024.10.29     暮らし
岡崎市は「ジャズの街」と呼ばれていますが、その理由を知っていますか?毎年11月には、市内各地でジャズのコンサートが開かれるイベントも実施されます。岡崎市がジャズの街と呼ばれるようになった背景を、「内田修ジャズコレクション展示室」の概要とともに紹介します。

なぜ岡崎市がジャズの街と呼ばれるようになったのか?

  • 内田氏は「ドクター・ジャズ」とも呼ばれていた

    内田氏は「ドクター・ジャズ」とも呼ばれていた

岡崎市が「ジャズの街」と呼ばれるようになったきっかけは、岡崎市出身の医師で、ジャズの愛好家でもあった内田修氏が、自身のコレクションを岡崎市に寄贈したことです。

内田氏がジャズと出会ったのは戦後、偶然耳にしたラジオ放送でした。さらに学生時代から生演奏を聴く機会にも恵まれるとすっかりジャズに魅了され、のちにレコード収集を始めました。

そのジャズ愛は聴くだけに留まらず、自身の病院の中にオーディオルーム兼スタジオも構えるほどに。さらにジャズコンサートのプロデュースにも携わるようになり、日本のジャズ文化の発展に貢献しました。
  • 内田氏の病院内に設けられていたオーディオルーム兼スタジオ(再現)

    内田氏の病院内に設けられていたオーディオルーム兼スタジオ(再現)

そして内田氏は1993年、自身の病院を閉院するにあたって、レコード約12,000枚をはじめ、オープンリールテープ、雑誌やオーディオ機材などを岡崎市に寄贈しました。さらに2010年にもジャズのCDを中心とした資料を寄贈しています。

内田氏が寄贈したレコードや機材、雑誌などは、ジャズの歴史や音楽文化を知るための貴重な資料です。そこでこうしたものを活用し、市民に広くジャズについて知ってもらいたいとの願いから、岡崎市ではジャズによる文化振興に取り組むようになりました。

現在は岡崎市やジャズボランティアが、コレクションを活用してジャズの魅力を広める活動を実施中。まちなかにジャズを流したり、ジャズの出前講座を行ったりもしています。このように、暮らしにジャズが根付いたまちであることから、岡崎市は「ジャズの街」と呼ばれるようになったのです。
さらに岡崎市では、岡崎市出身のジャズシンガー・今岡友美さんと、ジャズベーシスト・小川晋平さんを「Jazzの街岡崎アンバサダー」に任命。ジャズの文化が息づく岡崎市の魅力を、市内外に積極的に発信していただいています。

内田修ジャズコレクション展示室とは

内田氏が寄贈した膨大なコレクションの一部は、「内田修ジャズコレクション展示室」で展示されています。展示室には、戦後のものを中心に国内外のレコードを幅広く展示。さらに、ジャズに関する雑誌やジャズの歴史をたどる年表、著名なミュージシャンが使用していた楽器や病院内に設けられていたスタジオを再現した展示もあり、見ごたえがあります。
  • ドラムやコントラバスといった楽器は迫力満点

    ドラムやコントラバスといった楽器は迫力満点

  • 視聴機もあり、好きな曲を聴くことができる

    視聴機もあり、好きな曲を聴くことができる

  • 展示室内のラウンジでは、スタッフが選んだCDを聴けるレコードコンサートを毎日開催

    展示室内のラウンジでは、スタッフが選んだCDを聴けるレコードコンサートを毎日開催

他にも、年に4回の展示替えを行うほか、レコードコンサートも毎日開催しており、何度訪れても発見があるのではないでしょうか。展示を見終わるころには、すっかりジャズの世界に魅了されていることでしょう。

図書館への来館時に何気なく立ち寄るかたもいれば、親子連れで来館するかた、毎日のように訪れるジャズ好きのかたなど、多くの人々に愛されている施設です。今後はさらに気軽に音楽の楽しさ、ジャズの素晴らしさに触れてもらえるよう、イベントやワークショップも随時開催予定です。

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■内田修ジャズコレクション展示室

【TEL】
0564-23-3158
(岡崎市役所 生涯学習課 総務企画係)

【住所】
岡崎市康生通西4-71 岡崎市図書館交流プラザ りぶら2階

【開館時間】
9:00~21:00

【休館日】
水曜(祝日の場合は開館)

【入場料】
無料

毎年恒例のジャズのイベントにも注目!

そして11月には、岡崎市内がジャズ一色になるイベント「岡崎ジャズストリート」も開催されます。これは、「岡崎市に、もっとジャズ文化を広げたい!」という思いで活動するNPO法人岡崎ジャズストリートが主催するイベントです。国内外で活躍するベテランから結成まもないグループまで、幅広いアーティストが登場します。

当日は、岡崎城二の丸音楽堂や籠田公園、シビコの広場、オトリバーサイドテラスなど市内18カ所の会場でジャズライブが開催されます。内田修ジャズコレクション展示室のある、岡崎市図書館交流プラザ りぶらも会場の1つです。
  • 岡崎城二の丸音楽堂で開催されたライブの様子

    岡崎城二の丸音楽堂で開催されたライブの様子

  • りぶらで開催されたライブの様子

    りぶらで開催されたライブの様子

個性豊かなアーティストによるジャズに耳を傾けるひとときは、このイベントならではの贅沢な時間となるでしょう。よく知る施設の、新たな一面にも気づけるかもしれません。

なお、ライブは入場料が必要な「プレミアム会場」で行われるものと、無料の「ストリート会場」で行われるものがあります。

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■岡崎ジャズストリート2024

【開催日時】
◎プレミアム会場(有料)
2024年11月2日(土)13:00~18:20、
11月3日(日)11:00~16:50

◎ストリート会場
2024年11月2日(土)・3日(日)
両日とも11:00~16:40

【会場】
岡崎市内各地

【プレミアム会場の入場料】
・1Day Passport 5,000円(前売りは4,500円)
・2Day Passport 8,000円(前売りのみ)
・ジュニア 1ステージ券1,000円
・ジュニア パスポート券2,000円(どちらか1日のみ有効)

気軽にジャズに親しもう

1人の愛好家のコレクションから始まり、今や多くの岡崎市民に愛される存在となったジャズ。

あまり馴染みのないかたもいるかもしれませんが、「内田修ジャズコレクション展示室」での展示も「岡崎ジャズストリート」も、ジャズ初心者からマニアまで幅広い層が楽しめる工夫が施されています。

芸術の秋に、ジャズに浸ってみてはいかがでしょうか。