クラフトビール

公開日:2016.07.28     暮らし
「家康B」というクラフトビールをご存知でしょうか?
クラフトビールとは、小規模な醸造所で生産された地域・店舗の固有ブランドとして認知されるビールです。家康Bは、シカゴ出身の森クレーグさんが中心となり、藤川町で採れるむらさき麦や、家康公が飲んだとされる霊芝(れいし)エキスを入れて創られた、岡崎ならではのクラフトビールです。
今回の岡崎ルネサンスは、このクラフトビールを製造するHYAPPA BREWS代表 森クレーグさんにスポットを当てます。

岡崎のまちならではのオリジナルビールづくり

クレーグさんは、1997年、現在の自然科学研究機構 基礎生物学研究所に生殖学の研究者として来岡し、4年間の研究生活を経て、立命館大学びわこ・くさつキャンパスで非常勤講師に就任しました。非常勤講師として教鞭を執る最中、東岡崎駅前にあった友人の居酒屋が閉店することとなり、そこの常連でもあったクレーグさんは自分が後を引き継ぐことを決意。2001年に、肉厚の生地にたっぷりのチーズや具材を入れるシカゴピザや、アルコール類などを提供する「Izakaya Ja Nai!!」を開店しました。
現在、店舗で提供されるクラフトビールには、「岡崎のまちづくりに貢献したい」というクレーグさんの想いが詰まっています。「商品の<価値>を販売したい、地元の素材を活かし、ここでしか手に入らない商品を作りたい、その商品を通じてまちの賑わいやみんなの笑顔を作り出したい!」という強い思いをカタチにすべく、2013年10月31日に発泡酒製造の免許を取得し、クラフトビールの製造に取り掛かりました。
2014年、今では岡崎の藤川まちづくり協議会がまちおこしの一環として栽培し、江戸時代にも藤川宿で栽培されていたという、幻の麦「むらさき麦」との出会いがありました。この出会いが、むらさき麦を原料とするクラフトビール製造のきっかけとなり、完成した商品が家康Bであり、むらさき麦の麦芽を100%使用した「パープルレイン#37」です。
家康Bは、そのラベルに、「1573年三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れた家康公が、この時の想いを忘れないために描かせた肖像画“しかみ像”をモチーフとしたイラストを取り入れ、原材料にはむらさき麦を使用し、家康公が健康のために飲んでいたという霊芝を入れることで苦みのある味わいに仕上げました。」と書いてあります。飲む人には、「ちょっとこのビールは苦いなぁ、、」と、当時の家康公よろしく顔を少ししかめながら楽しんでもらいたいそうです。
発売日も家康公の生誕日である12月26日とするなど、細部に亘ってこだわり抜いたビールとすることで、広く岡崎をアピールできる商品となりました。
また、自らがビール製造を行うだけではなく、みんなでむらさき麦を育ててクラフトビールを造るイベント「麦からつくるクラフトビアづくり」も企画しています。むぎ蒔き、むぎ踏み、収穫、仕込みまでを体験するこのイベントに、次世代を創る若い人たちを中心に多くの方が集まっています。「ビールづくりを通して、地元の良さを改めて知り、地元愛を醸成することができれば」とクレーグさんは考えています。

これからの夢。
クラフトビールづくりで、豊かな岡崎づくりを

アメリカから岡崎に移住し、「この地を盛り上げたい!」と、Izakaya Ja Nai!!を拠点とし、様々な活動を展開するクレーグさん。これからの夢は、「市内にクラフトビール工場を作り、飲食はもちろん、その場で音楽の演奏会や楽しいイベントを開催し、そこに集う人たちが仲間となり、想いを通じ合わせることでお互いを尊重し、感謝しあえる関係を作り上げること、それが岡崎の豊かな地域づくりに繋がる」と、熱い想いを語ってくれました。

クレーグさんは、とてもお話し上手で、明るく楽しい方です。
ぜひ一度、Izakaya Ja Naiに行ってみませんか?

インフォメーション

場所:愛知県岡崎市明大寺本町4-69-1
ホームページ:https://www.facebook.com/Izakaya-Ja-Nai-164456413562/