岡崎は心あたたまる、大好きな街。
多くの人にこの魅力を伝えたい。

公開日:2018.10.01
  • ローズウィンドウ作家 植田亜友美 さん
  • ハンドメイドでいろどる あたたかい街
魅力的な笑顔の持ち主・植田亜友美さんは岡崎愛にあふれるローズウィンドウ(紙のステンドグラス)作家さんで、『ChouChou〜』という名前で活動をされています。育児と家事をこなしながら、小・中学校、幼稚園などで出張レッスンや作品展、ワークショップを行うなど、積極的に活動されています。
「岡崎が大好き!」という植田さんに、岡崎の魅力やオススメについて教えていただきました。

小学校近くの駄菓子屋さんが、私の思い出の場所

「子どもの頃の思い出、といえば、矢作東小の近くにあった駄菓子屋さんが一番に浮かびます。『さなえさん(酒井さん)』と呼ばれていたお店です」
今はないその駄菓子屋さんが、植田さんの原風景の一つなのだそうです。
「その頃は、放課後に学校が開放されていたんです。だから下校した後に、みんなでその駄菓子屋さんに寄ってから学校にまた集まるのがお決まりでした」
今では考えられない、古きよき時代の岡崎。世の中が変わってしまったことに、少し悲しい気持ちになることもある、と植田さんはいいます。
「その駄菓子屋さんでは、とても素朴なお好み焼きも出されていて、でもそれは子どもにとってはとても高級な特別メニューで(笑)。お小遣いを50円貯めて、そのシンプルなお好み焼きを食べるのがとっても楽しみでしたね。作り方が今のものとは違って、ソースがまたおいしくて!今でも思い出すと食べたくなるくらいなんですよ」
あたたかい街、岡崎。地域に見守られて育ちました
植田さんが子どもの頃の岡崎は、人々の関係がもっと密だったそうです。
「岡崎は、今でももちろん、人がとてもあたたかい街です。でも、昔の岡崎は、今よりさらに人と人のつながりが強かったんです。誰もが盆踊りなどの行事に進んで参加して、わきあいあいとしていましたね。街の人たちみんなに声をかけてもらって、見守られながら育った子ども時代でした。緑がたくさんあって、川にはザリガニがいて……自然豊かな環境のなか、走り回ったり泥んこになったり。今になって思えば、とても恵まれていたんだなあと感じます」
岡崎で生まれ育ち、この街から離れたことがないという植田さんの心には、自然豊かであたたかかった街の姿が焼き付いています。

人生を変えた、ローズウィンドウとの出会い

岡崎の自然と、あたたかい街の中でのびのびと育った植田さん。ローズウィンドウに出会ったのは、結婚、出産を経験し、だいぶ経った頃でした。お子さんが通う小学校で行われた工芸教室に参加したのが、そのきっかけだったそうです。繊細で美しい柄と、光に透かしたときの優しい光に魅了され、それからは『光のアートOnde~オンド』代表の内水茜さんに師事し、毎日のように作品作りに取り組んだといいます。

「そのときは人生の中で落ち込んだ時期でもあったんですが、ローズウィンドウ作りに出会って、本当に救われた思いがしました。人生が変わった瞬間でしたね。作品作りに没頭している間、自分自身と向き合うことができたと感じ、気持ちがふっと軽くなり、そして明るくなりました。その時間があったからこそ、自分を大切にすることを思い出せたし、自分らしさを取り戻すことができました。出会いに感謝しています」

自分らしくいること、素直になることを大切に

ローズウィンドウ作りに出会い、自分の心と向き合う大切さを知った植田さんは、定期レッスンや作品展を通してそれを生徒さんたちに伝えようとしています。
「自分らしくいられる時間を持つことや、自分に素直になることは、この忙しい世の中では難しいことになってしまっています。でも、心を元気に保つためにとても大切なこと。趣味や好きなことに没頭したり、作品作りを楽しんだりすることは、自分を大切にすることにつながっていくと思います」

ローズウィンドウの作品一つひとつのモチーフや柄には、作ったときの心模様や出来事が自然と刻まれるそうです。「作品のできあがりを見て、自分の本当の心を知ることもありますよ」と植田さんは微笑みました。

景色がきれいな岡崎中央総合公園は、私の定番スポット

植田さんが作るローズウィンドウは、ヨーロッパの教会などで見られる丸いステンドグラス「薔薇窓」を紙で再現した、いわば「紙のステンドグラス」です。とても繊細な美しい作品を日々作っている植田さん、インスピレーションを受ける場所や好きな場所はどこですか?

「空や夕日を見るのが好きで、特にオススメなのは岡崎中央総合公園です。ほかにお気に入りの場所は、動物と触れ合える東公園や、行くとパワーがもらえる岡崎城、岡崎公園も外せません。それから、桜の名所といえば乙川沿いが有名ですけど、実は城西高校裏の矢作川沿いも知る人ぞ知る桜スポットなんですよ。毎年近所のかたと、桜の開花を楽しみにしているんです」と、とっておきの場所まで教えてくださいました。

岡崎の魅力にスポットを当てて、再発見していきたい

これからの岡崎に必要なものって何だと思いますか?と、植田さんに聞いてみました。
「岡崎には、古くていい文化がたくさん残っています。でも、ずっと住んでいると、意外とその土地の長所に気づけなくなることってありますよね。岡崎ならではのよさにあらためてスポットを当てて、新しいものとコラボレーションしたり、みんなが気軽に参加できるイベントで盛り上がったりしたいですね」
岡崎のよさを、もっと多くの人に知ってほしい、という植田さんの気持ちが伝わってきました。

「それから、子どもを育てていると強く思うのですが、健常者だけではなく障がい者のかたも住みやすい街にしていけたらいいですよね」
誰もが住みやすい街づくりを目指していきたいと語る植田さん。ほかにも、こんな夢があるそうです。
気軽に集まって笑顔になれる場所づくり
「今後、私自身も学校でのローズウィンドウのワークショップなどを通して、街の子どもたち、親御さんたちが気軽に集って楽しめる場所づくりに取り組んでいこうと思っています」
気持ちが明るくなる、陽だまりのようなあたたかさ。植田さんからは、そんなパワーが感じられます。

「アート作りってとても不思議で、普段は人とのコミュニケーションが苦手な子が思いもよらない独創的な作品を作りあげたり、悩んでいるお子さんやお母さんが作品作りに夢中になって心がすっきりしたり……いろいろなことが起こるんです。そんな素敵な体験の場を通して、たくさんの人と出会い、楽しい時間を積み重ねていきたいです」
植田さんと岡崎のつながりは、これからますます深まっていくことでしょう。これからのご活躍がとても楽しみです。

(撮影協力:ZARAME CLASSIC)
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ハンドメイドでいろどる あたたかい街

ハンドメイドでいろどる あたたかい街

手作りアートを楽しむ人がいっぱい!人があたたかい街、ほっとできる街

岡崎には、古い文化、新しいアートが同時に息づいていて、それがとても好きです!私が小さいときからある『おかざきっ子展』も、アートを発表するとてもいい機会でした。アートに触れること、作ることは、自分自身と向き合う時間を持つこと、自分を大切にする気持ちを育むことにつながります。人と人とのつながりがあたたかいこの街で、ローズウィンドウをもっと広めていきたい。街をいろどるハンドメイドの文化が、これからますます花開いていくとうれしいです。