風情を楽しむ大人のお花見スポット、上地八幡宮の鬱金桜(うこんざくら)

公開日:2019.03.22     "〇にナる" 岡崎まちものがたり
さくらのまち・岡崎のお花見を締めくくるなら、薄黄緑色の花をつける希少な鬱金桜(うこんざくら)はいかがでしょうか。神聖な雰囲気の中でお抹茶をいただきながら花を愛でる、風情たっぷりのお花見が楽しめます。
  • 1947年(昭和22年)の拝殿造営の際に現在の場所に移植されたそうです

    1947年(昭和22年)の拝殿造営の際に現在の場所に移植されたそうです

  • 咲き始め。清爽な薄黄緑色が印象的です

    咲き始め。清爽な薄黄緑色が印象的です

  • 咲き中。花芯から薄紅色が差していきます

    咲き中。花芯から薄紅色が差していきます

  • 咲き終わり。全体的に薄紅色がかっていきます

    咲き終わり。全体的に薄紅色がかっていきます

  • 拝殿を正面に見て、左手に「右近の橘」、右手に「左近の桜」があります

    拝殿を正面に見て、左手に「右近の橘」、右手に「左近の桜」があります

  • JR東海道本線がすぐ脇を走る上地八幡宮。中央奥に大鳥居が見えます

    JR東海道本線がすぐ脇を走る上地八幡宮。中央奥に大鳥居が見えます

  • 穏やかな空気が流れている正面の参道

    穏やかな空気が流れている正面の参道

薄黄緑色の花をつけ、美人桜と呼ばれる珍しい桜
勝利を導く弓の神様がまつられている古社、上地八幡宮。源頼朝(みなもとよりとも)の弟の源範頼(みなもとのりより)が、1184 年(元暦元年)に上地の郷士である大見藤六(おおみとうろく)の屋敷の脇にあった八幡宮に平家討伐の戦勝を祈願。勝利を収めた後に三河守護(みかわのかみ)となった範頼が、1190年(建久元年)に社殿(国指定重要文化財)を寄進建立したことが由緒とされています。

境内には、京都御所にならい、神様から見て右側に「右近の橘」、左側に「左近の桜」が植えられており、この左近の桜が今回の主役である「鬱金桜(うこんざくら)」です。約300年前に幕府から下賜されたもので、薄黄緑色の花をつける全国でも希少な桜として知られています。開花の進み具合によって花の色が変化することが特徴で、咲き始めは綿帽子のような薄黄緑がかった白色が初々しく、咲き中は花芯を中心に花先まで薄紅色が差し、咲き終わりは全体に薄紅色が濃くなっていきます。最後まで花先に薄黄緑色が残り、白色や薄紅色との調和した姿を眺めることができます。そのつつましやかな色により「美人桜」ともいわれ、毎年春になると、参拝客の目を楽しませてくれています。
  • 境内南側の大鳥居。左側を通行して、くぐる際は一礼し、手水舎で手を清めて拝殿へ

    境内南側の大鳥居。左側を通行して、くぐる際は一礼し、手水舎で手を清めて拝殿へ

  • 参拝は、お賽銭を供え、鈴を鳴らして、二礼二拍手一礼を

    参拝は、お賽銭を供え、鈴を鳴らして、二礼二拍手一礼を

  • 桜まつり期間は限定の御朱印がいただけます(画像は昨年度のもの)

    桜まつり期間は限定の御朱印がいただけます(画像は昨年度のもの)

  • 京都のお抹茶(宇治茶)と、桜の葉を3枚使う桜饅頭。毎年楽しみにしている人も多いとか

    京都のお抹茶(宇治茶)と、桜の葉を3枚使う桜饅頭。毎年楽しみにしている人も多いとか

  • 境内にお茶席が設けられることは珍しく、この風情でお茶をいただく贅沢も味わえます

    境内にお茶席が設けられることは珍しく、この風情でお茶をいただく贅沢も味わえます

  • お座敷では、手すりや柱が額縁のような役割を果たし、絵画のような桜の眺めが楽しめます

    お座敷では、手すりや柱が額縁のような役割を果たし、絵画のような桜の眺めが楽しめます

  • 交通安全や盗難除けの霊験があるという、伝説のうなり石

    交通安全や盗難除けの霊験があるという、伝説のうなり石

  • 拝殿の奥に室町様式を残す市内最古の社殿、東にうなり石や神楽殿がある境内

    拝殿の奥に室町様式を残す市内最古の社殿、東にうなり石や神楽殿がある境内

  • 照らされる花の色と青葉とのコントラストが美しいライトアップ

    照らされる花の色と青葉とのコントラストが美しいライトアップ

  • 夜のお茶席は風情があってステキです

    夜のお茶席は風情があってステキです

神聖なる風景とライトアップに映える桜を満喫
では、さっそく上地八幡宮へ。正面の大鳥居をくぐって手水舎で清めたら、拝殿にて参拝をしましょう。右に振り返れば、そこに、お待ちかねの鬱金桜があります。

まずは、桜の木を一周して、花弁数の多い八重咲きの大輪の花を観賞してみてください。咲き始め、咲き中、咲き終わりで移ろう花の色合いが見事です。花を間近で堪能した後は、お守り、おみくじなどが置かれる社務所へ。桜まつり期間中は限定の御朱印の授与もあります。また、こちらでお抹茶(桜饅頭、おみくじ付/有料)をお願いすることができ、お茶席は室内と屋外の2か所あるので好みの席でいただきましょう。うららかな春の日に、お花見をしながらお抹茶で一服という贅沢な時間を過ごすことができます。また、境内には伝説のうなり石、霊験のある神馬の像、あべまき並木などの見どころもあります。これらを巡りながら、鬱金桜が映える美しい眺めを探して散策するのもおすすめです。

夜にはライトアップもあり、花々と青葉が美しく照らし出されて幻想的な雰囲気に。また、お抹茶の提供は夜も行われており、春の宵のひとときを楽しめる絶好の花見スポットとしても好評です。
ちょっと不思議な鬱金桜のヒミツ
鬱金桜はオオシマザクラの系統とされ、現在は子株が成長した3代目と推測されています。宮司の大須賀さんによると、最近、樹木医さんに診てもらったそうで「2代目3代目ともなると先祖返りが起こってオオシマザクラのような白い花が咲くはずなのに、こうして薄黄緑色の花が咲き続けるのを見たことがありません」と、驚かれたとのこと。つつましいだけでなく、八幡さまのパワーを感じられるような不思議なエピソードを持つ美人桜。その奇跡的なご利益とともにお花見を楽しんでみてはいかがでしょうか?
○ご案内
上地八幡宮「桜まつり」
■電話:0564-52-6145
■期間:2019年4月5日(金)~15日(月)
■時間:9:00~20:00(ライトアップは18:00~20:00)
※開花の状況により期間を変更すること場合があります。
※期間中は、お茶席、特別御朱印の授与、ライトアップなどあり。
■HP: http://ueji80000.com/
※開花情報は上地八幡宮ブログ(http://ueji80000gu.blog.fc2.com/)へ
○関連学区まちものがたりリンク
17福岡学区まちものがたり
18上地学区まちものがたり

インフォメーション

場所:愛知県岡崎市上地町字宮脇48番地