今が旬!あいちの伝統野菜、法性寺ねぎ

公開日:2019.02.02     "〇にナる" 岡崎まちものがたり
法性寺ねぎは岡崎市南部の六ツ美地区を中心に作られています。シーズンは12月から3月で、これからますます甘味がのってくる頃。青い葉が、特に美味しい法性寺ネギを紹介します。
  • 法性寺ねぎの名の由来である法性寺

    法性寺ねぎの名の由来である法性寺

  • 愛知県中央青果株式会社の岡崎地方卸売市場

    愛知県中央青果株式会社の岡崎地方卸売市場

  • 荒木部長(中央)と法性寺ねぎの生産者、近藤さんご夫妻

    荒木部長(中央)と法性寺ねぎの生産者、近藤さんご夫妻

ルーツは九条ネギ?
法性寺ネギは法性寺町にある古刹、法性寺が名の由来です。その昔、法性寺の僧侶が比叡山延暦寺へ修業にいった際、ネギを持ち帰って植えたのが始まりといわれ、弓なりに葉をしならせた姿は京都の九条ネギに似ています。平成15年には「あいちの伝統野菜」に認定され、岡崎市のブランド化推進品目にも選ばれました。

土井町にある岡崎地方卸売市場では毎朝7時頃からセリが行われています。法性寺ねぎもセリにかけるのか尋ねると、「昔は矢作や大門のあたりでもねぎを作っていたそうですが、今は法性町周辺の限られた地域でしか作られていません。あいちの伝統野菜でもある法性寺ねぎを生産者の方が安心して作れるように相対で取り引きし、適正価格を決めています」と岡崎地方卸売市場の荒木部長。法性寺ねぎが絶えないように生産者を支えています。
  • 近藤和子さん、幸男さん

    近藤和子さん、幸男さん

  • 弓なりにしなった青い葉が特徴

    弓なりにしなった青い葉が特徴

  • 寒くなると透明な蜜が葉の中から染み出てくる

    寒くなると透明な蜜が葉の中から染み出てくる

  • 根っこを見ると、何本もの根がくっついている

    根っこを見ると、何本もの根がくっついている

  • 自宅倉庫で作業をする近藤さんご夫妻

    自宅倉庫で作業をする近藤さんご夫妻

  • 表皮を丁寧にむく

    表皮を丁寧にむく

  • 出荷を待つ法性寺ねぎ

    出荷を待つ法性寺ねぎ

葉が柔らかく、甘味の強い法性寺ねぎ
荒木部長さんに先祖代々法性寺ネギを作っている近藤幸男さん、和子さんご夫妻を紹介していただき、年が明けた1月初めに近藤さん宅を訪ねて、畑を案内してもらいました。住宅地の中にねぎ畑が点々とあり、合わせて4反ほどの面積で作っています。9月初めに植え付けし、15㎝くらいの間隔で株を植えていきます。すると3か月くらいで1株が10本ほどに増えて大きくなるそうです。今年は暑さで生育状態が心配されていましたが、順調に育ってくれました。「法性寺ねぎは葉が柔らかくて香りが良く、葉の青い部分がとても美味しいんです」と幸男さん。寒さが厳しくなるともっと甘味が増し、ねぎ畑を歩くとズボンがベタベタになるほど蜜が付くそうです。

近藤さんは法性寺ねぎが「あいちの伝統野菜」に認定された年に「JAあいち三河法性寺ねぎ研究会」を立ち上げています。岡崎で古くから作られてきた法性寺ねぎの栽培方法を生産者同士で学びあい、伝統野菜の法性寺ねぎをもっと多くの人に広めていきたい、そう強く語ってくれました。
  • 1、法性寺ねぎとしらす、かつおぶしを混ぜる

    1、法性寺ねぎとしらす、かつおぶしを混ぜる

  • 2、油揚げに①を詰める

    2、油揚げに①を詰める

  •  3、フライパンで油は引かずに焼く

    3、フライパンで油は引かずに焼く

  • 4、お皿に盛りつければできあがり

    4、お皿に盛りつければできあがり

農家直伝、法性寺ねぎのおすすめレシピ
法性寺ねぎは近藤さんのお宅の食卓によく登場します。「ねぎをたくさん食べているから、家族全員風邪を引かないのよ」と和子さん。一緒に暮らしているお孫さんが大好きな料理が「ねぎいなり」。ご飯の代わりに刻んだネギを詰めて焼いた簡単料理です。早速、作り方を教わりました。

材料は法性寺ねぎ、しらす、かつおぶし、麺つゆ少々、油揚げ。刻んだ法性寺ねぎにしらすとかつおぶしを混ぜ、麺つゆでさっと味付けします。油揚げを半分に切り、そこに混ぜ合わせた法性寺ねぎを好きなだけ詰めます。あとはフライパンで焼くだけ。こんがり焼き色が付いたら完成。ご飯のおかずにお酒のつまみに最高なので、ぜひ作ってみてください。
◯取材協力(敬称略):岡崎地方卸売市場
■問合せ:0564-54-1611(愛知県中央青果株式会社)
■HP: http://www.aichi-chuou.com/
※一般のかたによる購入は不可。
※市場の見学は可。事前に電話で予約してください。
◯参考文献
『ふるさとの味を知る おかざきの「食」再・発・見』/発行:岡崎市食育協議会、岡崎市食育推進会議
『六ッ美村誌』/発行:六ツ美地区総代会連絡協議会
◯参考資料
愛知県農林水産部園芸農産課HP「あいちの伝統野菜」
■HP: http://www.pref.aichi.jp/engei/index.html
◯法性寺ねぎdata
西三河・東三河エリアのスーパー、産直市場などで購入できます。
○関連学区まちものがたりリンク
40六ツ美北部学区まちものがたり
41六ツ美西部学区まちものがたり
COLUMN
「あいちの伝統野菜」

「あいちの伝統野菜」

あいちの伝統野菜は愛知県で古くから作られてきた野菜です。現在、35品種が選ばれており、法性寺ねぎはそのうちのひとつ。以下の4つの定義をみたすものがあいちの伝統野菜として選定されています。 ①今から50年前には栽培されていたもの②地名、人名がついているものなど愛知県に由来しているもの③今でも種や苗があるもの ④種や生産物が手に入るもの

インフォメーション

場所:愛知県岡崎市土井町字地堂1番地1(岡崎地方卸売市場)
場所:愛知県岡崎市法性寺町上屋敷50(法性寺)