前回はラリージャパン実行委員会の高橋浩司会長のインタビューを行いました。まだこのコロナ禍でいろいろがどうなるか不明な部分も多いですが、それでも開催できるよう着々と準備を進めているということでした。で、今回は、もう少しオーソドックスに、ラリーを知らない皆さんに、ラリーってどんな競技なのか?ってところから解説をして行こうかなと思います。
岡崎市民の皆さんなら、F1はもうご存知だと思います。サーキットという環境で、参加車両が同時にスタートして速さを競うという、クルマを使ったスピード競技の世界の頂点にあるものです。こういったサーキットレースは、F1以外にも、中嶋一貴選手が3連覇したル・マン24時間レース、そして国内で行われるSUPER GTも同じで、一斉にスタートしてゴールを目指すという点は変わりません。決勝レース前に車両のセッティングを煮詰め、時には決勝レースのためのスタート位置(グリッド)を決める、予選セッションというものも存在します。
ラリーという競技は、そういったサーキットレースと大きく異なります。ちょっと乱暴に言ってしまうと、一般公道を使用したレースで、合法的な公道最速選手権と言えます。日常的に私たちも使うような一般道を一時的に封鎖してレースを行うのです。決められたコースを一台ずつアタックしていく形となるので、他車とのバトルという展開はありません。また、サーキットレースではマシントラブルなどがあるとサーキットのピットに戻って修理をしますが、ラリーでは競技場所がそもそもピットとなるサービスから離れていますし、サービスでもメカニックたちが車両を触る時間も決まっています。そのため、パンクを含め、直してなんとか走れるレベルのトラブルは搭乗している選手が対処しなければなりません。
公道を中心とした競技ということで、サーキットレースならピットが隣接しているのですぐに競技を行うコースへ出ていくことができますが、ラリーではサービスパークから、競技を行うスペシャルステージ(SS)への移動もあります。SSも複数用意されているので、SSとSSとの移動区間(リエゾン)ももちろん一般道。ですから競技ではないこのリエゾンは交通法規を守って移動しています。