八丁味噌にミネアサヒ…地元産の原材料にこだわった岡崎市初のクラフトビール醸造所「岡崎ビール」へ

公開日:2024.08.29     たべる
近年、小規模な醸造所が造る個性的な「クラフト酒」がブームになっています。そしてその波は、岡崎にも来ています!

2023年10月に自社醸造を開始した「岡崎ビール」では、豊かな食文化が根付く岡崎市ならではのクラフトビール作りを行っています。オーソドックスなビールから、地元産の食材を原材料にした個性的なものまで種類豊富。どんな味わいなのか?そもそも、なぜ岡崎市にクラフトビール醸造所ができたのか?さっそく、取材に行ってきました。

岡崎ビールとは?

岡崎ビールは、2023年10月に自社醸造を開始した岡崎市初のビール醸造所です。市内の住宅街に工場があり、八丁味噌や岡崎市産のブランド米・ミネアサヒなど、地元産の原材料を使ったユニークなビールを製造しています。

開業早々に出場した国産クラフトビールの審査会「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」では数種類のビールが入賞し、中には金賞に輝いたものも。早くも国内のクラフトビール業界で存在感を示す、気鋭の醸造所です。

岡崎ビールのラインナップ

岡崎ビールでは現在、全5種類のフレーバーを製造・販売中。その中からトライした、3種類のビールを紹介します。

岡崎八丁味噌ポーター

岡崎ビールを代表する1本が、「岡崎八丁味噌ポーター」です。「まるや八丁味噌」の八丁味噌とブランド米・ミネアサヒを使った黒ビールで、ひと口味わうと味噌の香りがふわりと漂います。ジャパン・グレートビア・アワーズ2024では、「フリースタイル・ダークエール部門」で銀賞を獲得しました。


一般的な黒ビールにある独特の苦みやコクを抑え、マイルドな口当たりに。クセがほとんどなく、黒ビールが苦手なかたでも飲みやすく仕上げています。単体で飲むのはもちろん、和食やチーズなどの発酵食品と一緒に楽しむのもおすすめです。

HEFE WEIZEN(ヘーフェヴァイツェン)

岡崎ビールのラインナップの中でも、最もベーシックな味わいのビールが「HEFE WEIZEN(ヘーフェヴァイツェン)」です。小麦麦芽を使用し、軽やかな口当たりに仕上げています。最初の1杯に選ばれることも多いそうです。

苦みを抑えた爽やかな味わいで、洋食・和食などどんな料理とも合わせやすいのが特徴。魚介類との相性も良いので、カルパッチョなどと楽しむのも良いでしょう。岡崎ビールのビールを初めて飲むかたにもおすすめです。

RED ALE(レッド エール)

岡崎ビールのラインナップの中では最も正統派の1本が「RED ALE(レッド エール)」です。ジャパン・グレートビア・アワーズ2024では、「アメリカンスタイル・アンバー/レッドエール部門」で金賞に輝いています。

数種類の麦芽をブレンドして作ったビールに「ミネアサヒ」を加えて、コクとキレを楽しめる味わいに仕上げています。グラスに注いだ時に感じる、華やかな香りも特徴です。洋食との相性がよく、特にピザやパスタなどチーズを使った料理とマッチします。

岡崎ビールはどこで買える?

岡崎ビールのビールは、「カクキュー八丁味噌の郷」「まるや八丁味噌」などの観光スポットや、岡崎公園(岡崎城公園)内にある「観光みやげ店 おかざき屋」、市内の一部のスーパーマーケット・酒販店、岡崎ビールの公式オンラインショップで販売中。オンラインショップでは、ギフトにもぴったりなセットも用意されています。

また、市内のレストランや居酒屋ではグラスで提供する店も。

販売店舗の詳細は岡崎ビールの公式Webサイト内で紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
さらに、毎年4~10月に開催されている「乙川ナイトマーケット」をはじめとしたイベントにも出店しています。

特にイベントでは、瓶商品では販売されていない種類のビールが登場することもあるそうです。詳しい出店情報は、岡崎ビールのInstagramで随時発信されています。

岡崎ビール誕生の背景とは?

岡崎ビールを営むのは、岡崎市出身・在住の天野竜太さん。自身で作り上げた工場でビール造りを行っています。

「もともとビール醸造会社で働いていたのですが、いつか自分でもビールを作ってみたいと思っていました。そしていざ独立するとなったとき、せっかくなら地元・岡崎で、地元の食材を使ったビールを造ろうと思ったのです」

しかし、ビール造りを始めるまでにはさまざまな困難があったといいます。

「ビール造りの経験はありましたが、醸造所から立ち上げることは未経験だったので、最初はさまざまな“想定外”が起こり、悩む日々が続きました。醸造免許を取得してから実際にビール造りを始めるまで、1カ月ほどかかりましたね」
その後は無事に醸造を開始し、今ではビールの製造や瓶詰め、イベント出店などを行っています。

「1種類のビールができるまでにはいくつもの工程があり、完成までに1カ月ほどかかります。それもやりながら出来上がったビールを瓶詰めして、イベントにも出て……としていると、毎日あっという間です」

まもなく自社醸造を開始してから1周年を迎える岡崎ビールですが、天野さんは今、新しいビール造りにも挑戦中です。

「『岡崎八丁味噌ポーター』のように、地元の食材を使った新しいビール造りを進めています。まだ試作の段階ですが、おいしいビールができるように頑張ります」

地元のクラフトビールを味わって

市内唯一のクラフトビール醸造所として、個性あるビールを多数展開している岡崎ビール。今後登場予定の新しい種類のビールにも、期待が高まります。買い物や食事、イベントに行って見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。