カメラを片手に、春の岡崎まち歩き

公開日:2023.03.31     暮らし
春になると、岡崎公園とその周辺の乙川・伊賀川沿いには約800本もの桜が咲き誇ります。
今回は、カメラ片手に春の岡崎をお散歩。

カメラを持ってまちを歩くと、いつもは気付かないような物事にも心惹かれてしまう気がしませんか?
名鉄東岡崎駅を出発して、桜が美しい伊賀川までの20分ほどの道のり。
新しく整備された場所や岡崎らしい歴史を感じる景色と共に、”なんだか気になる”場所・スポットをご紹介します。

名鉄東岡崎駅から明代橋へ

  • 名鉄東岡崎駅 北口のバスのりば

    名鉄東岡崎駅 北口のバスのりば

  • 地下通路へ

    地下通路へ

・ジャズが流れる地下通路
まずは名鉄東岡崎駅北口からすぐの地下通路を通ります。通路内はジャズが流れ、壁には「JAZZの街岡崎」のポスターも。
実は岡崎は「ジャズの街」でもあります。

岡崎に生まれ市内に外科病院を開業した医師・内田修(うちだ おさむ)さんは、ジャズ愛好家でもあり、多くのジャズミュージシャンと交流し、時には支援もしていたそうです。

内田さんの影響で、著名なジャズミュージシャンが訪れ、毎年秋には「岡崎ジャズストリート」というジャズイベントも2日間にわたって開催されています。
・「バスのりば」のロゴ
地下通路を通って駅を振り返れば、2021年に惜しまれながら閉店し、63年の歴史に幕を閉じた駅ビル「岡ビル百貨店」が。
歴史の面影を感じさせるような「バスのりば」のロゴは、つい撮りたくなってしまう味のある風景です。
・明代橋(みょうだいばし)
さらに北に進むと、見えてくるのは「明代橋(みょうだいばし)」。
昭和初期に完成してから当時の意匠をほぼ残し、現在に至るまで現役で存在している、乙川に架かる橋です。歩道が石畳になっており、少しレトロな雰囲気を感じます。
夜間(日没~22時)はライトアップされとても綺麗です。

今回は、そのまま橋を横目に乙川沿いを歩きます。

桜城橋(さくらのしろばし)

次に見えてくる大きな木製の橋を渡ります。
桜城橋は2020年3月に完成した全長121.5m、幅19mの大きな橋。岡崎の中山間部である額田産の木材が使用され、今でもヒノキの良い香りがします。
基本的には歩行者専用の橋ですが、キッチンカーが入るようなイベントが行われることも。
休憩所でくつろぐ人の姿、桜城橋の両側にかかる橋、乙川の河川敷を歩く人など、ここから見える景色はどこかのどかです。
桜城橋は、全長121.5m、幅19mあります
桜城橋付近にも桜が咲きます
橋の上の休憩所
桜城橋から見える明代橋
桜城橋から見える殿橋

中央緑道から籠田公園へ

・中央緑道
そのまま橋から続く緑道を進みます。全長約300mにわたる緑道は2021年3月に整備されました。
「道であり、広場でもある空間」をコンセプトに、テラスや休憩用のテーブル、椅子が置かれ、歩行者が安心して歩き、同時にくつろげる空間が広がっています。
この中央緑道を旧東海道が縦断しているため、歴史を感じることもできます。
緑道にある階段を上り、高い位置からまわりの景色を眺めてみませんか。
ルネッサンス様式を取り入れたレトロな建物や今はあまり見ることのない公衆電話を見つけてノスタルジーな写真をぱしゃり。
・籠田公園
緑道の先には大きな公園があります。
2019年にリニューアルした公園。芝生広場を中心に、東・北の縁台ステージ、さらには複合遊具や噴水などがあります。家族連れや仕事の途中で休憩する人、歌ったり踊ったり勉強したりする学生の姿も。土日を中心にイベントが行われ、キッチンカーが出店することもあり、自然と人が集まる場所です。

康生通を西へ

公園の前を通り、康生通を西に進んでいきます。
まちのいたるところに石のオブジェが置かれているのは、岡崎は石のまちでもあるから。日本3大石品生産地(岡崎市、香川県庵治町牟礼町、茨城県真壁町)のひとつで、良質な花崗岩(御影石)が採れ、多くの石職人がいます。
そして、まちの人が店先でそれぞれに手入れをして育てている草花も味があって美しいです。手入れされた花壇、木に巻きついている薔薇、寄植えされているもの。野菜を育てているところも。康生通りは特に、こういった花が多くあり、まちに来る人を迎えてくれています。
石のオブジェ
木に巻き付いているバラ
まちの方々が植えている花々
まちの方々が植えている花々
康生通にはいろいろな形をした建物が並んでいます。
窓が可愛かったり、不思議なオブジェがあったり。レトロなタイルが並ぶ階段もあります。
昔あった建物がなくなっても、その面影が壁面に跡として残っていることも。視線を上げてまちを見てみるのも面白いです。
さらに進んでいくと、今は営業されていない店舗のロゴにも目が行きます。
当時はどんなお店だったのだろうと思いを馳せながら、クラシカルだったり、時代を感じたり、懐かしさのあるロゴや建物を見るのも楽しく、まちを味わえます。

康生通を抜けると岡崎公園

  • 岡崎公園大手門

    岡崎公園大手門

  • 桜まつりの様子1(2023年は露店商の出店はありません)

    桜まつりの様子1(2023年は露店商の出店はありません)

  • 桜まつりの様子2

    桜まつりの様子2

  • 桜まつりの様子3

    桜まつりの様子3

黒い歩道橋を越えると、左手にお城が見えてきます。
そこは徳川家康公が生まれた岡崎城跡を整備した公園で、3月下旬頃から、ソメイヨシノ、エドヒガン、シダレザクラなど、約800本もの桜が咲き乱れます。「日本さくら名所100選」にも選ばれていて、毎年、3月下旬~4月上旬ごろは、「桜まつり」が開催されます。おまつり期間中の日没後はライトアップもあり夜桜もおすすめ。「岡崎城下舟あそび」などのイベントもあります。(イベントは変更または中止の場合があります)
龍城通
康生通を越えると、通りの名前も変わります。
岡崎城のもう1つの名所の花として有名な藤の花を模ったオブジェ、お城と共に乙川を移動していた舟が描かれたマンホール、どこかへ続く道をイメージさせるような石のタイルなど。
足下を彩るものも変わり、より歴史の片鱗を感じさせてくれます。

目的地の伊賀川の桜並木

伊賀川は、岡崎城の西側を流れる小さな川で、市の中心をぐるりと取り囲むように東から北、そして西側へと回りこんでいます。
普段は飛び石を渡って向こう岸に行けるくらい穏やかな川なのですが、 大雨が降ると昔からよく氾濫したようで、河川改修が行われて、現在のように岡崎城のすぐ西を流れるようになりました。
氾濫対策の1つで堤防に植えられた、多くの桜が春には美しいトンネルになります。 家族や友人とゆっくり過ごすゆるやかなお花見にぴったりの場所です。
※大雨の翌日などの増水時は流される危険性があるので近づかないようにしましょう。
穏やかな伊賀川
3月下旬~4月上旬頃は桜が咲き乱れます
夜桜ライトアップの様子
いかがだったでしょうか?
まちを歩く時に上を見たり、下を見たり。
どこか目的地に向かうまでの道のりの中にも、そのまちの面白さは潜んでいます。
岡崎のまちの歴史や伝統と共に、それぞれの時代を営む人やお店、場所のことを知ると、より、岡崎を味わえるのではないでしょうか。