岡崎グルメに欠かせない、八丁味噌の魅力に迫る!

公開日:2022.05.02     暮らし
岡崎の名産と言えば「八丁味噌」。
市内にある2つの味噌蔵「まるや八丁味噌」と「カクキュー八丁味噌」では、創業当時から現在まで伝統の製法を守った味噌づくりを続けています。

今回は、地元で親しまれている八丁味噌についてご紹介します。

「八丁味噌」とは?

  • 画像提供:カクキュー八丁味噌

    画像提供:カクキュー八丁味噌

岡崎名産の豆味噌
八丁味噌は、大豆と塩と水のみで造られ、大豆の旨味を凝縮した濃厚なコクと深い味わいが特徴の豆味噌の種類の1つです。

古くから岡崎は大豆栽培が盛んで、大豆を使った味噌は生活の一部だったそうです。
また、豆味噌は水分量が少なく保存性に優れているので、戦国時代は「兵糧」として重宝されていました。

さらに、岡崎生まれの徳川家康公も豆味噌を好み、毎日のように食していたので長寿だったとも言われています。
八丁味噌の名前の由来
岡崎城から西へ八丁(約870m)離れた八帖町(旧・八丁村)で造られていたので、江戸時代に入ってからいつしか「八丁味噌」と呼ばれるようになりました。

ちなみに、「八丁村」の地名の由来は、かつて家康公に仕えていた茶道指南役が、家康公から自宅の場所を尋ねられ「大手(岡崎城)から八丁あまり」と答えたため、その辺りが「八丁村」と呼ばれるようになったそう。(諸説あり)

家康公がこの質問をしなかったら、八丁味噌も違った名前だったかもしれませんね。

この地で造り続けられてきた理由

  • 撮影:カクキュー八丁味噌(「岡崎領傍示石」説明から)

    撮影:カクキュー八丁味噌(「岡崎領傍示石」説明から)

八帖町(旧・八丁村)には矢作川が流れています。矢作川の良質な伏流水は夏でも冷たく、味噌づくりに適していました。
また、旧東海道も通っていて水陸交通の要所であるとともに、人の往来も盛んでした。
原料である大豆と塩を舟を使って矢作川から運び入れ、完成した味噌を江戸へ出荷していた記録も残っているそうです。

「矢作川の清らかで豊富な水・原料である大豆と塩・人やものが行き交う東海道」がそろった八丁村は、まさに味噌づくりの商売にぴったりの土地と言えます。

岡崎の八丁味噌の特徴

岡崎の八丁味噌は、製造工程や見た目・風味など他の味噌にはない特徴がたくさんあります。
  • 撮影:まるや八丁味噌

    撮影:まるや八丁味噌

[木桶仕込み]
市内の2つの味噌蔵では、創業当時から変わらず木桶での仕込みを続けています。

木の繊維の中には、発酵に必要な微生物が住むことができ、その微生物のおかげで、それぞれの蔵独自の味(蔵ぐせ)を生み出すことができます。

この木桶は、大切に使えば100年持つと言われていて、蔵見学では、江戸時代から使い続けている桶を見ることができます。長年同じ木桶を使用し続けることで伝統の味を守り続けているのです。
  • 石積みの様子(まるや八丁味噌)

    石積みの様子(まるや八丁味噌)

[円錐状の石積み]
仕込み桶の上には、大量の重石が円錐状に積まれています。円錐状に石を乗せる理由は、桶全体に均等な圧力をかけて味噌の中の水分を均一にするため。重石がないと水分が下に下がり、上の味噌は乾燥してしまいます。
さらに、八丁味噌は保存性を高めるために極限まで使用する水分を少なくしているのでその分、たくさんの圧力が必要となります。なんと、1つの木桶に入れる味噌6トンに対して、3トンもの石を積んでいるそうです。

石積みは今でも職人の手で行われています。その手法は代々受け継がれ、地震にも耐えることができる石積みを習得するには、10年の修業が必要と言われています。
  • みそ玉に麹菌を繁殖させた「大豆麹」(カクキュー八丁味噌)

    みそ玉に麹菌を繁殖させた「大豆麹」(カクキュー八丁味噌)

[熟成期間]
一般的な味噌の熟成期間は長くても1年程度ですが、八丁味噌は完成までに2年以上(二夏二冬)かかります。
八丁味噌は他の味噌と比べて製造過程で造る「大豆麹(蒸した大豆を丸めた「みそ玉」に麹菌を繁殖させたもの)」が大粒で、水分量が少なく硬いので、熟成に時間がかかります。

ゆっくりと時間をかけて造られることで、濃くて深い味わいの味噌ができ上がります。
  • カクキュー八丁味噌

    カクキュー八丁味噌

[色の濃さ]
八丁味噌は豆味噌の中でも、色が濃いことが特徴。茶色というよりは、黒に近い色です。これは、長い熟成期間で生まれる茶褐色の物質「メラノイジン」の量が多いから。

メラノイジンには抗酸化作用があり、近年注目されています。
  • 手作業での袋詰めの様子(カクキュー八丁味噌)

    手作業での袋詰めの様子(カクキュー八丁味噌)

[硬さ]
八丁村のあった地区は、矢作川や早川などの川に挟まれていたので夏は高温多湿となり、食べ物が腐りやすい環境でした。
その環境の中でも耐えることができる味噌を造るため職人が試行を重ね、水分量を少なくしていった結果、硬い味噌が生まれました。

硬さゆえに機械を使った袋詰めが難しく、手作業で行います。カクキュー八丁味噌の蔵見学では、実際に詰めている様子を見ることができます。
  • みそおでん

    みそおでん

  • 八丁味噌煮込みうどん(カクキュー八丁村)

    八丁味噌煮込みうどん(カクキュー八丁村)

[味]
長期熟成するため、大豆の旨味が凝縮された濃厚なコク、渋み、苦みと少しの酸味がある独特の風味が特徴です。

酸味は味を引き立て、渋みはコクを際立たせる効果があるので、お味噌汁だけではなく料理の隠し味として使うこともおすすめです。

例えば、カレーに少しだけ加えると長時間煮込んだようなコクを出すことができるそう。
ぜひ、試してみてはいかがでしょうか?

2つの蔵元

[まるや八丁味噌]
創業1337年(延元2年)。醸造業から始まり、味噌づくりは江戸時代から始めました。
旧東海道沿いから、まるやの看板やのれん、味噌蔵を見るとその歴史の深さや伝統を感じることができます。
[カクキュー八丁味噌]
今川義元の家臣であった初代当主・早川新六郎勝久が1560年(永禄3年)の桶狭間の戦いに敗戦し、逃れた寺で味噌づくりを始めたことがきっかけとなり、数代の後に八丁村で味噌屋を始め、1645年(正保2年)に創業しました。
「岡崎カクキュー八丁村」というフードコートを隣接しているので、八丁味噌を使った料理を楽しむことができます。
岡崎の名産「八丁味噌」はいかがでしたでしょうか?
創業当時から変わらぬ製法や伝統を守り続けることで、長く市民に親しまれる味となっているのです。

市内では、八丁味噌を使ったグルメを提供しているお店がたくさんあるので、味噌蔵見学に加えて、ぜひ行ってみてくださいね!