龍海院の山門や鐘撞き堂・灯籠など、境内のいたるところに「是」の文字があります。これには、家康公の天下統一とも関わりの深いエピソードが残されています。
今からさかのぼること約490年前、家康公の祖父・松平清康公が岡崎城に在城の頃、元旦の初夢に「是」の字を左手に握る夢を見たそうです。
この夢を、龍渓院の輪番住職模外(もがい)禅師に尋ねたところ、「是の字を分けると、日の下の人となる。是の字を握るは天下を取ることなり。遅くとも、清康公の三代後までには、必ず、天下人が現れるであろう。」と予言しました。
それを聞いた清康公は大変喜び、模外禅師を初代として龍海院を建立したそうです。
これが、龍海院が「是字寺」と呼ばれるようになった起源とされています。
その予言どおり、清康公の三代後にあたる家康公は、1603年に天下統一を果たしました。