まさに文武両道!『岡崎高校』の教育の秘密に迫る

公開日:2019.12.17     子育て
文武両道を実現し、全国的にも有名な、愛知県立岡崎高等学校。

また、開校は1896年と、その歴史は120年を超えており、岡崎で最も歴史のある高校です。学力は全国的にみても、トップレベル。さらには、部活動でも数々の優秀な成績をおさめています。その秘密は一体何でしょうか。

今回は在籍年数10年以上というベテランの先生3名にその秘密を聞いてきました!

希望の進路を実現するための「岡崎高校流」指導方法とは?

ー「その子に合った指導」を心がけるー
岡崎高校には「たかい知性 ゆたかな情操 たくましい心身 を兼ね備えた国家・社会の有為な形成者を育成する」という教育目標があります。この目標を軸として、面談では生徒一人ひとりをしっかり見て、その子に合った指導を心がけているとのこと。
それから、目標を早期に決めてしまい、それ以外のことが視野に入らなくなることを避けるために、進路が自分なりに決まっている子に対してもその決断を一度揺るがす指導を行うことも特徴的。

生徒が自分の将来をしっかりと考えて、「それでもこの目標で頑張りたい!」と決意したそのときが「本当の目標」が決まったときで、受験でも最後の最後まで頑張り切れるとか。その結果、浪人しても、それは自分の将来を妥協することなく挑戦できていることの表れ。地元志向や挑戦するような受験よりも安全な方を選ぶ子が全国的には増えている中、岡崎高校ではそのような傾向は出ていないというのもこうした指導の表れなのかもしれませんね。

ー外部から講師を招いてー
校内の先生だけではなく、進路講演会や特別講演会など外部講師を招いての講演会も行われています。
特別講演会は3年に1度の実施のため、生徒の皆さんが参加できるのは学生生活で1度だけ。生徒の皆さんもとても楽しみにされている特別なイベントとのこと。
様々な分野で活躍する大人と触れ合うことで、生徒たちの刺激になるようにという工夫なんですね。

岡崎高校も認定!スーパーサイエンスハイスクールとは?

  • 画像提供:岡崎高校

    画像提供:岡崎高校

皆さんは「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」という言葉を耳にしたことがありますか?
文部科学省が認定する『先進的な理数教育を実施するとともに、高大接続の在り方について大学との共同研究や、国際性を育むための取組を推進する』高等学校等のことを指します。

岡崎高校も平成14年からSSHに認定されていて今年で通算18年目。認定校として、学校の授業の中では研究課題や研修などに取り組みます。研修では、アメリカ研修や東京大学の研究室訪問が特に人気で、毎年定員を上回る応募があり、生徒たちも意欲的に参加をしているそうです。

また、岡崎高校にはスーパーサイエンス部があることでも有名です。
理学部、地学部、天文部が合体してできたこのスーパーサイエンス部には、2019年現在26名が在籍し、生徒一人ひとりが興味を持った内容を掘り下げて研究を進めています。今年も「ゾウリムシ」「ヒドラ」「北山湿地」「斜面に物体を置いた際の滑り具合」など、さまざまなテーマで研究に取り組んでいるとのこと。
愛知県内には岡崎高校を含め11校がSSHに認定されており、夏休みなどには他のSSH認定校と交流するなど横のつながりもつくりながら、普段の授業とは違う楽しみや学びを感じているそうです。

勉強だけじゃない!? 岡崎高校の部活とは?

  • 画像提供:岡崎高校

    画像提供:岡崎高校

先ほど紹介したスーパーサイエンス部をはじめ、岡崎高校にはたくさんの部活があり、多くの生徒が取り組んでいます。岡崎高校では兼部が認められているので、部活動への登録率は120%。勉学のイメージを持たれがちな岡崎高校では、部活をやっている生徒は少ないのかと思いきや、驚きの数字ですね。

なかでも有名なのはコーラス部。全国大会の常連校です。その秘密は大ベテランの名物先生の存在です。定年を迎えた後も講師として指導を続けており、今回お話をお聞きした先生方もかつては生徒だったとか。
  • 画像提供:岡崎高校

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さらには、ワールドカップで一躍人気スポーツとなったラグビー部や、高校では珍しい登山部もあり、生徒それぞれが興味を持ったものに打ち込める環境が整っています。

また、3年生になると放課後や土曜日に希望者向けの補講が用意されており、授業後もたくさんの生徒が学校で過ごしています。高校生ともなると、学校が終われば塾という子も多い中、授業後も学校で学んだり運動をしたりできる環境が整えられています。

文武を兼ね備える岡崎高校、その秘密とは?

まさに文武両道の岡崎高校。今回最も印象的だった先生の言葉は「岡高文化は、人を蹴落として自分だけが上がっていくのではなく、切磋琢磨し刺激し合いながら集団としてのパフォーマンスを上げていこうとすることだ」。

そんな空気の中で多感な高校時代を過ごすことができたら、きっと岡崎高校が教育目標として掲げる「たかい知性 ゆたかな情操 たくましい心身 を兼ね備えた国家・社会の有為な形成者を育成する」が実現できることでしょう。
今回、取材の最後に教頭先生がおっしゃっていたのは、「謙虚さを持ってほしい」という言葉。この言葉の重みも感じながら、
世界に羽ばたく人材になってほしいですね。

※ 記事の情報は公開日時点のものです。
<施設情報>
愛知県立岡崎市高等学校
住所:愛知県岡崎市明大寺町伝馬1

※ 記事の情報は公開日時点のものです。
〇ライター:うみのたかこ
岡崎市生まれ岡崎市育ち。県外市外での学生、社会人経験を経て、結婚を機に職場も岡崎になりUターン。
現在は2人の子育てをしながら、子育て支援活動やフリーでの仕事を行う。好きな風景は乙川の夕焼け。