僕たち私たちの部活動×スリーハートチーム PART1

公開日:2020.11.13     まなぶ
『部活動』それは高校生たちにとって、かけがえのない青春の1ページ。
そんな部活動も感染症拡大の影響を多大に受けることとなりました。
コロナ禍を過ごす今の高校生たちは、どんな想いで、どのように部活動へ向き合っているのでしょうか。

約3ヶ月の休校期間を経て、再開した部活動に励む高校生にスポットを当て、応援するのが今回の企画「スリーハートチーム」です。第1部「石川真佑選手×女子バレー部オンライン座談会」に続き、第2部は市内11校を訪ね、コロナ禍での部活動への向き合い方や取り組みについて紹介していきます。

今回は岡崎西高校野球部、岡崎高校コーラス部、岡崎城西高校パワーリフティング部にお話しを伺いました。

岡崎西高校野球部

困難に屈しない強い志で自己の目標を必ずや達成することを意味する「百練自得」を校訓に、文武両道を目指す岡崎西高校。
平日の練習では、ほぼ内野部分しか使えず、他の学校に比べ不利な条件のなか、いかに質の高い練習ができるかを日々考え練習に励んでいます。
グラウンドで何度もひたむきに白球を追いかける選手たち。休む暇もなく練習に打ち込みます。
休憩に入ると、選手たちの手には形の違う白球が。
体を大きくするため、休憩時間にはおにぎりを食べているんだそう。
そんな野球部の皆さんに、コロナ禍に感じた思いや練習ができない期間にどのように過ごしてきたかを伺いました。
「休校期間は、それぞれが素振りやシャドーピッチングなどの個人練習に励む日々だった」と教えてくれたのはキャプテンの永島君。
野球はチームワークが大切なスポーツ。休校中もチームメイトと連絡を密に取っていたそうです。
この休校期間に改めて気づくこともありました。
副キャプテンの天野君は「野球ができることは当たり前ではないことに気づくことができた。改めてチームメイトやマネージャー、先生に感謝の気持ちを感じた」と教えてくれました。
顧問の池田先生も、選手たちには野球ができることに感謝し、勝利のために一生懸命野球に取り組んでほしいと話していました。
練習再開後は、体力が落ちてしまった選手たちが熱中症にならないよう、普段よりも選手の体調面のサポートに力を入れていたと教えてくれたのはマネージャーの阿部田さん。
野球部のマネージャーは大変では?と聞くと「どんなに大変でも、みんなからの“ありがとう”の声で頑張れる」と笑顔で答えてくれました。
感染症拡大の影響で甲子園が中止となった今夏。高校野球独自大会をはじめ、これまで無観客で大会が行われてきました。
応援がないのは寂しかったが、普段聞こえない打球の音やベンチからの声援が響いてきて新鮮だったと選手たちは前向きに振り返っていました。
独自大会は強豪校を相手に2回戦で敗退という結果でしたが、試合ができたこと、仲間と一緒に1勝をつかめたことが、今後の自信につながる、そんな大会でした。


今後の目標は、県大会出場と来年の夏季大会で先輩たちの成績を上回ること。
休校期間を経験し、精神面をはじめ、成長を感じる岡西野球部のこれからの快進撃を楽しみにしています!

岡崎西高校野球部の皆さん、ありがとうございました。

岡崎高校コーラス部

明治29年に創立された岡崎高校。
そんな歴史ある高校で、部の発足以来70余年と伝統があり、数々の優秀な成績を収めている岡崎高校コーラス部。昨年度は、NHK全国学校音楽コンクールの県大会で金賞・東海北陸大会で銀賞、全日本合唱コンクールの中部大会で金賞(岐阜県教育委員会賞)・全国大会で銀賞という輝かしい成績を収めました。
現在のコーラス部の練習は、全員がマスク姿。
マスクをつけたままの発声練習は、口を開けたり、呼吸がしづらく、コーラスには不向きです。それでも部員たちはそれを感じさせない程の声量で、美しい歌声を学校中に響き渡らせます。
そんなコーラス部の皆さんに、これまで経験したことのない長期期間の休校を経て、部活動や仲間への想い、休校中に取り組んでいたことについて伺いました。
お話を聞かせてくれたのは、部のまとめ役の2年生。お休みの日に集まってパンケーキを作るほど仲良しだそう。
休校期間は、LINE(無料通話アプリ)のグループ通話で、携帯電話越しに発声練習をしていたそうです。
また1、2年生はスキルアップのために3年生に積極的に連絡を取り、技術面などのアドバイスをもらっていました。
「練習再開後、初めてみんなで合わせたときの感動は忘れられない」と、笑顔で振り返ります。仲間と歌える喜びを改めて実感しました。
9月をもって引退となった3年生にも話を伺いました。
3年生は最後の大会が中止となってしまいましたが、「1、2年生にまだ伝えたいことがたくさんある」との思いから9月まで部に残り活動を続けていました。
部長の鵜飼さんは「私たち3年生のコンクールへ向かう最後の姿を見せられなかったのは残念でしたが、後輩はとても熱心なのでこれからが楽しみ」と後輩の今後の活躍に期待を寄せます。
また正指揮者の小幡君は「僕たちコーラス部を全国トップレベルに導き続けてくれる、惠子(さとこ)先生のもとで、3年間部活動ができて本当に嬉しかった。最後のコンクールが中止となり、自分たちがどれだけ成長したかを可視化することはできなかったが、この教室でやってきたことは間違いない」とコーラス部で過ごした3年間を誇らしげに振り返っていました。
岡崎高校コーラス部は、先輩たちが自分たちの想いを後輩たちに受け継いでいこうと頑張っている部だと教えてくれた近藤惠子先生。部員の皆さんから聞く言葉と熱心に練習に取り組む姿から、まさしくその想いを感じる取材となりました。

最後に次期部長の近藤さんに今後の目標は?と聞くと「NHKホールに立つこと」と力強く答えてくれました。
先輩たちの想いとともに、1、2年生の歌声がNHKホールに響くことを楽しみにしています!

岡崎高校コーラス部の皆さん、ありがとうございました。

岡崎城西高校パワーリフティング部

全国屈指の強さを誇るサッカー部をはじめ、多種多様な部活動が活躍する岡崎城西高校。
「パワーリフティング部」も例外ではなく、全国大会の常連校で、世界大会に出場する選手も輩出しています。さらには高校の部活動では、日本で初めて「パワーリフティング部」が創部されたのも、この岡崎城西高校なんです。

パワーリフティングとは、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目でバーベルを持ちあげ、その重さの合計を競うスポーツ。3つの種目を合わせた競技であるため、それぞれに適した筋力を鍛える必要があります。主に上半身の筋力を競い合う競技ではありますが、スクワットやデッドリフトでは下半身の筋力がとても重要になってきます。
部員が過ごすトレーニングルームは、笑顔が飛び交い、とても和やかな雰囲気が漂います。
しかし、練習が始まりバーを握ると、そんな空気は一変。その眼差しは真剣そのものです。アスリートの顔に変貌しました。
そんなパワーリフティング部の皆さんにコロナ禍に経験したことや過ごし方について伺いました。
「ムキムキになりたい!」との思いから入部を決めたキャプテンの外﨑君。休校期間も自宅でのトレーニングは欠かさず行っていたそうです。
練習再開後は、感染リスクを抑えるため、グループリーダーを選出し3グループに分かれて練習するなど、極力部員同士が接触する機会を減らす工夫をしていたと教えてくれました。
副キャプテンの竹本さんは、休校明けの練習で少し焦りを感じていました。自宅での自主トレは欠かさず行っていたのに、以前挙げることのできた重さが挙がらなくなっていたんだそう。
それでも、この経験から「休校前よりも挙げられるように」と今後の目標と強い気持ちを持つことができ、より気合いを入れて練習に取り組めたそうです。
全国大会、世界大会でも優勝経験のある3年生の苅谷君。
今年は感染症拡大の影響で大会が次々に中止となり、とても悔しい思いをしたといいます。
この悔しい思いをバネに、12月に開催予定の全国大会で良い成績を残し、大学でもパワーリフティングを続けていきたいと力強く語ってくれました。
休校期間中、部員たちからは「はやく練習をしたい!」との声も上がり、それに応えてあげたいのは山々だったと話す顧問の国本先生。今後もバーの消毒など感染症に気を付けながらの練習は続きますが、「日本で最初にできた部」という伝統を誇りに、引き続き活動していきたいと話してくれました。

活気に溢れた岡崎城西高校パワーリフティング部。1、2年生の今後の目標は「全国大会出場」。
これからもパワーリフティングへの熱い思いを持ち続け、全国の舞台で活躍する姿を楽しみにしています!

岡崎城西高校パワーリフティング部の皆さん、ありがとうございました。
各部活とも換気や道具の消毒等、感染対策の徹底をしながらの練習が続いています。このような状況のなかでも、部活動のできる喜びをかみしめ、まっすぐ目標を見据えて練習に励む生徒たちの姿がとても印象的でした。

さて、次回紹介するのは、どの部活動でしょうか。お楽しみに!