常に”攻め”の姿勢で勝ちをつかむ。注目のボートレーサー宇野弥生選手に迫ります!

公開日:2020.08.05     スポーツ
昨今人気急上昇中の女子ボートレース。
その中でも人気・実力ともにトップクラスの宇野弥生選手から、新型コロナウィルス感染拡大の最前線で戦う医療従事者の役に立ちたいと、岡崎市民病院に寄附をいただきました。

宇野選手のこれまでのボートレース人生と寄附をしていただくまでの経緯を伺いました。
凛とした佇まいが印象的な宇野選手はまさにクールビューティ。
千葉県生まれ、埼玉県育ち、現在はボートレーサーとして愛知支部に所属し、A1ランク(2020年7月現在。A1ランク=約1,600人いるレーサーの中で上位20%の最上位のランク)で活躍しています。

類まれな運動神経に恵まれた宇野選手は、中学生の時に先生からプロのスポーツ選手になることを勧められ、ボートレーサーを目指すことを決めました。
数あるスポーツの中からボートレースを選んだのは、女性が活躍できるし、大きくなってから始める人がほとんどでスタートラインがみんな同じだから。これからの頑張り次第で、自分の力を最大限に発揮できる可能性を感じたそうです。
ボートレースの存在は元々知っていましたが、きちんとレースを見たのは、将来目指す職業として意識し始めてから。中学生の時に、父親に連れられて、初めて生のボートレースを見ました。
競艇場で見るレースは、テレビで見るものとは全く違います。響き渡るエンジン音や驚くほどのスピードで目の前を通り過ぎるボートの迫力に圧倒され、その瞬間にボートレースの虜になりました。

中学卒業後は、福岡県にある「やまと競艇学校」に入学。1年間の訓練の末、2002年5月常滑競艇場でデビューします。当時、競艇史上最年少でのデビューということで注目を集めました。
ボートレース人生で一番嬉しかったことは、2011年「第6回JCN埼玉杯オール女子戦」での初優勝。デビューから苦節9年。目指していたより時間がかかったため、優勝できてほっとしたと当時を振り返ります。

そんな優勝の背景には、地道な苦労と経験がありました。
レースでは、大会ごとに違ったボート、エンジンが抽選で選手に割り振られます。状態が良くないものに当たることもあり、選手は自分自身で部品を交換したり、エンジンを整備してレースに挑みます。整備をして、状態が良くなれば良いのですが、繰り返し整備しても納得する状態にならず、そのままレースが終わってしまうことも。そんな時は本当に悔しい思いをするそうです。
そして、次の大会ではまた違ったボート、エンジンとなり、一から整備します。一見、運任せのようにも思われますが、その中でも進歩はしていけると語ります。
繰り返し整備をして、レースに挑む。そうやって経験を積み、少しづつ技術や知識を増やしています。

そんな苦労があっても、さすがは勝負の世界に生きる人。「ボートレースは頑張った分、結果が出た時の喜びがとても大きい。それから、レースで一等を獲った時は体調が悪くても治ってしまう気がするんです。それくらい勝負に勝つことは特別に嬉しいです。」と思わず笑顔になります。
さらに、自身の強みを「スタートの速さ」と話す宇野選手。
スタートを確実に決めて、捲る(「捲る(まくる)」=スタートで先行し、他のボートを外側から抜いて1着になるボートレースの決まり手)。攻めの姿勢でレース展開を自分で作っていきたいと熱く語ります。
それから、後味の悪いレースには決してしないということも心がけているそう。レースでは、ターンをするときにボート同士がかなり接近し、水しぶきも勢いよく上がります。宇野選手自身、ターン自体は怖くないし、勝つためには他の選手とぶつかるくらい積極的なレースをしないといといけないこともあるそう。それでも、他の選手に迷惑をかけてはいけないと、これまでの経験で培ってきたテクニックでぶつからないようにコントロールします。
今年3月からの新型コロナウィルス感染拡大は、ボートレース界にも影響し、無観客でのレースを余儀なくされていました。
現在は通常のレースが再開されていますが、「やっぱりレースにはお客さんの声援や叫ぶ声(笑)が必要。気持ちの入り方も違ってくる」とさみしさを感じていた部分もあったそうです。

レースから離れても、宇野選手自身、外出自粛で家に籠ることが増え、気持ちの面で落ち込みやすくなっていることを実感したといいます。そんな中でも、自分はレースができることがありがたい。もしかしたら、他にも大変な思いをしているかたがたくさんいるのではと感じるようになったそうです。
そして、この気持ちを何かの形にしたいという思いが芽生え、新型コロナウィルス感染拡大の最前線で戦う医療従事者に寄附をしようと思い立ちました。
「防護服の購入など、感染拡大の予防に少しでも役立ててもらえれば嬉しい」と願いを込めます。

※ 宇野選手にいただいた寄附は、マスクやガウン、手袋など医療従事者を守るための防護具に使用します。
まだまだ不安が続く世の中ですが、前向きになれる宇野選手のこれからを聞くことができました。
「今後は年末に大きなレースが控えているので、それに向けて日々地に足をつけて努力したい。スタート以外にも見せ場を作ってお客さんに『宇野選手なら何かすごいことをやってくれるかもしれない』と期待されるような選手になりたい」と目を輝かせます。
宇野選手の今後の活躍から目が離せません。

最後に宇野選手から皆さまへ
「私の信念は『一日一生』と『何事も楽しく』。一日一日を大切に、大変な中でも楽しさを見つけたいですね。一人ひとりができることをやって、一緒に乗り越えていきましょう!」
  • 岡崎
  • 宣言
自然がたくさん「道の駅 藤川宿」

自然がたくさん「道の駅 藤川宿」

ボートレースのことを熱く語ってくれた宇野選手ですが、常に自然体。自然が豊かで、のどかな風景が広がる岡崎が好きと話してくれました。 最近の楽しみは友人とオンライン飲み会でおしゃべりすること。友達と過ごす時間がとてもリラックスできるそう。明太子やいくらなどの魚卵が好き。 「岡崎市のブランド推進品目「むらさき麦」の田んぼが広がる藤川地区一帯。そこにあるのが『道の駅 藤川宿』です。私の好きなオカザえもんグッズも充実していますよ」