実はそうだったの...!?乙川をまたぐ3本の橋のヒミツ

公開日:2020.08.13     まなぶ
岡崎の中心部を流れる乙川。
橋から眺める乙川の景色も素敵ですが、実は橋自体にもたくさんの魅力があるんです。私たちの生活に溶け込んであまり注目されることのない”橋”ですが、今回は、2020年3月に桜城橋が完成し、注目が高まっている ※QURUWA地区 の橋をピックアップ。橋の見方がちょっと変わるかもしれない、岡崎の橋のヒミツをご紹介します。

※QURUWAとは・・・名鉄東岡崎駅、桜城橋、籠田公園、りぶら(図書館交流プラザ)、岡崎公園などの拠点を結ぶ約3キロの主要回遊動線。かつての岡崎城跡の「総曲輪(そうぐるわ)」の一部と重なること、また、動線が「Q」の字に見えることから命名。

乙川にかかる3本の橋

○殿橋(1927年)昭和2年
 東岡崎駅から岡崎城までの動線にある橋。橋脚や岡崎の石工によって作られた御影石造りの大きな親柱が特徴的です。
 桜まつりや花火大会などのイベントを長年見守ってきた伝統のある橋です。
○明代橋(1937年)昭和12年
 東岡崎駅北口を出て正面に位置する橋。交通の利便性も高く、通勤・通学に多くのかたが利用されています。
 殿橋と同じように岡崎のイベントには欠かせない橋の一つです。
○桜城橋(2020年)令和2年
 2020年3月に完成した歩行者専用の橋。全長121.5m、幅19m(有効幅員16m)の大きな橋で、額田産の木材で装飾されています。木のぬくもりを感じながらゆったりと景観を楽しむことができます。東岡崎駅と籠田公園を結ぶ動線の中にあり、新名所として多くの人の憩いの場となっています。

上流から明代橋、桜城橋、殿橋の順に設置されています。
殿橋
桜城橋
明代橋

橋名板のヒミツ

橋名板(きょうめいばん)とは、橋の名称を表す、いわば名札のようなもの。桜城橋には漢字とひらがなの2つの橋名板が設置されています。
ひらがなの橋名板をよく見てみると、「はし」に濁点がついておらず、「さくらのしろはし」と表記されています。「さくらのしろばしでは?」「濁点をつけ忘れたのでは?」と疑問に思ったかたもいるかもしれません。

実はこれ、愛知県のルールで決められているんです。
愛知県の「橋梁設計の手引き」には、”橋名をひらがなで表示する場合の濁点について、「○○橋」は「○○はし」とする。”と記載されており、これに基づいて橋名板が設置されています。
そのため、本当の読み方は「さくらのしろばし」ですが、橋名板の表記では「さくらのしろはし」となっています。

桜城橋と同じように、ひらがな表記に濁点を付けない橋名板は日本各地に存在しているようで、”「川が濁らないように」という願いが込められている”という説もあるみたいですよ。

橋脚の数にもヒミツが!

  • 殿橋(11本)

    殿橋(11本)

  • 明代橋(6本)

    明代橋(6本)

  • 桜城橋(3本)

    桜城橋(3本)

乙川に架かる殿橋、桜城橋、明代橋の3つの橋。
実はこれらの3つの橋、竣工順(完成した順)と橋脚の数にちょっとした関係性があるんです。

竣工は古い順に、殿橋1927年(昭和2年)、明代橋1937年(昭和12年)、桜城橋2020年(令和2年)。
橋脚の数は多い順に殿橋11本、明代橋6本、桜城橋3本。

橋が新しくなるにつれて、橋脚の数が少なくなっているのがわかります。
技術の進歩により少ない数の橋脚で橋を支えられるようになったからなのか、はたまた別の理由があるのかはわかりませんが、興味があるかたは実際に橋を訪れて、確認してみてくださいね。

橋の下にフォトスポット!?

みなさん、殿橋下の河川敷を歩いたことはありますか?

殿橋の下には、大きな四角い穴がいくつも空いた端正な造りの橋脚がずらりと並んでいます。それを覗くと、正面からでも、斜めからでも向こう岸が穴の中に見えます。穴からずっと見ていると、吸い込まれそうです。

橋の上から景色を楽しむのもよし、下から向こう岸を覗くのもよし。ちょっとツウな楽しみかたができる殿橋をおさんぽコースに加えてみてはいかがでしょうか。

色とりどりのライトアップにも注目。

日没後の乙川では橋がライトアップされ、光あふれる素敵な景色を見ることができます。

殿橋と明代橋は季節やイベントによって灯す色を変え、四季折々の乙川の風景を演出します。中にはピンクリボンデーの特別カラーなど、年に数日しか見られない演出もあり、川面に映し出される光が夜景に彩りを添えています。

新しく完成した桜城橋はオレンジ色の光を灯し、夜の乙川を照らす一色に加わりました。木製の橋に光が反射し、橋の上を歩くと、あたたか味のある光に包まれます。

その時々で表情を変える岡崎の橋は、ついついカメラを向けたくなります。自分のお気に入りのカラーを見つけるのも楽しいかもしれませんね。
いかがでしたか?
今回は3つの橋の知られざるヒミツの一部をご紹介しました。
岡崎には個性豊かな橋がたくさんあるので、ぜひ自分のお気に入りの橋を見つけてみてくださいね。