公開日:2025.06.18
暮らし
家康は熱狂的な香木コレクターだった!?
「訶梨勒(かりろく)」は邪気を払い、悪疫を防ぐと言われている匂い袋です。かつて解毒剤として使われていた木の実・訶子(かし)の実1粒と、数種類の香木を調合し、訶子の実の形をした袋に入れて作ります。
古くは厄除け・魔除けのために作られていたものですが、現在では茶道・香道の床飾りとして使用されています。
古くは厄除け・魔除けのために作られていたものですが、現在では茶道・香道の床飾りとして使用されています。
香木は、温めると雅(みやび)やかな香りが立ち上ります。その香りを楽しむ芸道が「香道」です。
香道は、武士のたしなみとして親しまれました。徳川家康公も香道に親しんだ人物の1人で、香木も熱心に収集していたと言われています。そのコレクター心は国内のみならず海外にも及び、多くの国の王に親書を送って沈香を送るよう頼んだという記録も残るほどです。
実際、家康公の遺産として残された品々には、大量の香木がありました。さらに独自に編み出したお香の調合を記録した『香之覚(こうのおぼえ)』も残されています。
お香の香りをかぐと、なんとなくリラックスした気分になるもの。武士たちも、いつ命を落とすか分からない戦乱の世の中で、緊張を和らげる目的で使っていたのかもしれません。
参考文献:『将軍家康の生活と文化』(三河武士のやかた家康館 編)、『香の文化』(徳川美術館 編)
香道は、武士のたしなみとして親しまれました。徳川家康公も香道に親しんだ人物の1人で、香木も熱心に収集していたと言われています。そのコレクター心は国内のみならず海外にも及び、多くの国の王に親書を送って沈香を送るよう頼んだという記録も残るほどです。
実際、家康公の遺産として残された品々には、大量の香木がありました。さらに独自に編み出したお香の調合を記録した『香之覚(こうのおぼえ)』も残されています。
お香の香りをかぐと、なんとなくリラックスした気分になるもの。武士たちも、いつ命を落とすか分からない戦乱の世の中で、緊張を和らげる目的で使っていたのかもしれません。
参考文献:『将軍家康の生活と文化』(三河武士のやかた家康館 編)、『香の文化』(徳川美術館 編)
世界に1つだけの訶梨勒作りに挑戦!
この訶梨勒作りを岡崎市内で体験できるのが、小呂町にある「石屋のあすか」です。
石屋のあすかは、岡崎で1907年に創業した石材店。岡崎市産の御影石で作る墓石や灯ろう、縁起物などを作っています。同店には、調香師としても活躍する渡辺則子さんが在籍しています。丁寧なレクチャーを受けながら、訶梨勒作りに挑戦しましょう。
石屋のあすかは、岡崎で1907年に創業した石材店。岡崎市産の御影石で作る墓石や灯ろう、縁起物などを作っています。同店には、調香師としても活躍する渡辺則子さんが在籍しています。丁寧なレクチャーを受けながら、訶梨勒作りに挑戦しましょう。
体験はまず、香木の香りに親しむ「聞香(もんこう)」からスタート。小さくカットした沈香を香炉で温め、ほのかに立ち上る香りを楽しみましょう。目の前の香りに集中すると、感覚がとぎすまされたり、奥深い香りに癒されたりするのが分かるはずです。
なお、香道の世界では、香りをかぐことを「香りを聞く」と言います。
なお、香道の世界では、香りをかぐことを「香りを聞く」と言います。
続いて、訶梨勒作りに挑戦! ここでは以下の香原料をスプーンで少しずつすくって調合し、自分好みの香りに仕上げます。
・老山白檀(ろうざんびゃくだん)
・丁子(ちょうじ)
・桂皮(けいひ)
・大茴香(だいういきょう)
・山奈(さんな)
・龍脳(りゅうのう)
・乳香(にゅうこう)
・薫陸(くんろく)
・藿香(かっこう)
・カミツレ
調合レシピは渡辺さんが用意しますが、「もう少し甘めにしたい」「辛めの香りにしたい」など、自分好みに調整することも可能です。
使用する香原料のなかには、実は身近に存在するものもあります。たとえば「丁子」と「大茴香」は料理に使われるスパイスのクローブと八角、「桂皮」はシナモンのことです。普段何気なく使っているものの新たな一面を発見できるのも、訶梨勒作りの醍醐味ではないでしょうか。
・老山白檀(ろうざんびゃくだん)
・丁子(ちょうじ)
・桂皮(けいひ)
・大茴香(だいういきょう)
・山奈(さんな)
・龍脳(りゅうのう)
・乳香(にゅうこう)
・薫陸(くんろく)
・藿香(かっこう)
・カミツレ
調合レシピは渡辺さんが用意しますが、「もう少し甘めにしたい」「辛めの香りにしたい」など、自分好みに調整することも可能です。
使用する香原料のなかには、実は身近に存在するものもあります。たとえば「丁子」と「大茴香」は料理に使われるスパイスのクローブと八角、「桂皮」はシナモンのことです。普段何気なく使っているものの新たな一面を発見できるのも、訶梨勒作りの醍醐味ではないでしょうか。
調合が完了したら、最後はパックに作ったお香を詰めて出来上がりです。インテリアとして自宅に飾ったり、デスクなどに忍ばせて気分を落ち着かせたいときにかいだりと、使い方は自由。作ってから1~2カ月ほどすると香りが落ち着き、また違った香りが楽しめます。
お香を入れる袋もたくさんの種類の中から選ぶことができるので、ぜひ好みのものを探してみてください。
お香を入れる袋もたくさんの種類の中から選ぶことができるので、ぜひ好みのものを探してみてください。
なぜ、石材店で訶梨勒作りができるのか?
石屋のあすかが訶梨勒作りを始めたのは、約20年前。ある日、ご縁があった寺から、「講話のときに提供できる体験はないか」といった相談を受けて考案したことがきっかけでした。
「当時、お香は寺が独自に作るもの。ですから『個人がオリジナルのお香を作る』という体験はまだ珍しかったんです。正直、開催しても反響があるのか分かりませんでしたが、いざ実施してみたら『自分でお香が作れるなんて感動した』と喜ぶかたが多く、とても評判でした」(渡辺さん)
考案したお香作り体験が好評を博したこともあり、今日に至るまで渡辺さんは店や市内の会場などで訶梨勒作りを開催し続けています。参加者もさまざまで、親子やグループ、介護施設に入居しているかたがたなどもいます。
「香りには、“正解”がありません。お好みの香りを調合して、心身のリフレッシュをしていただけたらうれしいです」(渡辺さん)
「当時、お香は寺が独自に作るもの。ですから『個人がオリジナルのお香を作る』という体験はまだ珍しかったんです。正直、開催しても反響があるのか分かりませんでしたが、いざ実施してみたら『自分でお香が作れるなんて感動した』と喜ぶかたが多く、とても評判でした」(渡辺さん)
考案したお香作り体験が好評を博したこともあり、今日に至るまで渡辺さんは店や市内の会場などで訶梨勒作りを開催し続けています。参加者もさまざまで、親子やグループ、介護施設に入居しているかたがたなどもいます。
「香りには、“正解”がありません。お好みの香りを調合して、心身のリフレッシュをしていただけたらうれしいです」(渡辺さん)
香りのもつ力を感じよう
古くから、心身の調子を整えるものとして使われてきた香木。自分の感覚に集中し、いくつもの天然香原料から自分好みの香りを見つける楽しさと、訶梨勒が完成したときの達成感は唯一無二です。
家族や友人との特別な時間として、また自分へのご褒美として。家康公も愛した香りの世界に触れてみませんか。
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■石屋のあすか
【TEL】
0564-24-6360
【住所】
岡崎市小呂町字新志5-40
【営業時間】
9:00~18:00
【定休日】
日曜
【体験料】
1人4000円
家族や友人との特別な時間として、また自分へのご褒美として。家康公も愛した香りの世界に触れてみませんか。
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■石屋のあすか
【TEL】
0564-24-6360
【住所】
岡崎市小呂町字新志5-40
【営業時間】
9:00~18:00
【定休日】
日曜
【体験料】
1人4000円