明日に、未来に、
命と仲間をつなげていきたい

ハートストーリー「ママたちのつなげる防災活動【守ろう子どもと赤ちゃん】代表 荒木歩さん」

公開日:2019.03.04     暮らし
  • ママたちのつなげる防災活動【守ろう子どもと赤ちゃん】代表 荒木歩 さん
  • 大切に育みたい 人のつながり
東海地方では南海トラフ地震の被害が予想され、災害に対する備えや防災意識向上が求められています。荒木さんは、こうした大地震をはじめとする災害に備え、子どもや赤ちゃんの命を守るために、ママたちのつなげる防災活動【守ろう子どもと赤ちゃん】を行っています。
矢作北学区で生まれ育った荒木さんに、岡崎の魅力や市に対する思いをお聞きしました。

地域を自由に駆け回って育った子ども時代

荒木さんにとって子ども時代と言えば、町じゅうを走り回っておにごっこをした思い出が浮かぶそうです。
「昔は今よりも子どもが自由に出歩ける環境でしたから、友達と狭い路地などを駆け回っていました。大みそかには、友達と各町内の神社を巡って『おしるこの旅』をした思い出もあります」
また、懐かしい味といえば、康生町にある和菓子屋さんの赤飯おにぎりなのだとか。
「小さい頃は、買い物をするときには、バスに乗って康生町に出かけました。『和泉屋(いずみや)』さんは、みたらし団子や芋ういろ、おでんなども売っている昔ながらのお店。いつも買い物の帰りに、赤飯おにぎりを買ってもらうのが楽しみでした。今でも、子どもたちと買いに行っています」
世代を超えて通えるお店が数多くあるのは、岡崎の魅力の一つです。
自らの経験から学んだ、危険を察知することの大切さ
小学生の頃の記憶も鮮明に残っているそう。
「帰宅時に家の近辺が浸水してしまい、長靴に水が入ってきてしまうほどの水量で、大変な思いをして帰ったことがありました。大学時代には東海豪雨があり、腰まで水につかりながら歩いたことも。子どもが生まれてからも、河原でバーベキューをしていたら、豊田の山のほうに黒い雲がわき出し、『危ないな』と思って避難準備をしたことがありました。その後、本当に鉄砲水が流れてきて……母から聞いていた『豊田の方に黒い雲が出て、冷たい風が吹いたら雨が降る。豊田の山で雨が降ったら、川が増水する』という言い伝えに助けられた経験でした」
こうした経験を何度か経て、荒木さんは危険を察知することの大切さを身に染みて感じてこられました。

「今、始めなきゃ!」ふとしたきっかけで、防災の活動を開始

荒木さんが、ママたちのつなげる防災活動【守ろう子どもと赤ちゃん】を始めたきっかけは、ふとしたときに不安を感じたことだったといいます。
「3人目が生まれ、育休中のときに、『今、地震が起こったら、子どもに飲ませるミルクが手に入らなくなる。そうなったら子どもを守れない』と、ふと思ったんです。その直後、熊本地震を経験した人たちの体験談をまとめた冊子ができたというニュースを見て『これだ!』と思い早速取り寄せました。それを読み、今すぐ何か始めなきゃと強く思いました」
荒木さんはすぐに小学校からの幼なじみを誘って、防災について調べたことを共有するブログを開始。ブログでは、手軽に持ち歩ける「防災ポーチ」の作り方や、災害用伝言サービス「171」の使い方など、防災情報をわかりやすく発信しています。そのうちに、防災のイベントを行ったり、お子さんの小学校や中学校、ママサークルなどに講師として呼ばれたりするようになったそうです。子どもたちが自由研究で防災のテーマに取り組むなど、活動はメンバーの家族ぐるみで広がりを見せています。
「今は、グループLINEに60人以上が参加してくださっています。一緒に学び情報共有したり、県外から情報提供など力を貸してくれたり、イベントを手伝ったりしてくれる仲間達です」
荒木さんたちの活動はますます広がり、人と人との縁をつなぎ育っていっている最中です。

それぞれの地区に対する、地元愛にあふれる岡崎

岡崎の魅力はどんなところですか、と荒木さんに質問してみました。
「この活動を始めて実感したのですが、岡崎の人たちはそれぞれ生まれ育った地域に深い愛を持っているということ。地元愛がとても熱いんです。山の地区、川沿いの地区など、それぞれのよさを楽しみ、そして誇りにしているところが素敵だなと思います」
矢作北学区から市の反対方向へ通勤している荒木さん。岡崎のオススメの風景は、通勤で通る日名橋から見渡す矢作の景色だそう。岡崎中央総合公園、岡崎市民病院の辺りから見下ろす岡崎の夕景や夜景も、お気に入りなのだそうです。
「季節ごとに魅力が異なり、桜や芝桜や、夕暮れの美しさに浸ったりできます。また、日名橋からは、セントレア近くの空に飛行機雲が広がる様子も見られ、とてもきれいですよ」

防災が「当たり前のもの」になる日まで

ママたちのつなげる防災活動【守ろう子どもと赤ちゃん】を2017年から行ってきた荒木さん。そのなかでたくさんの出会いに恵まれてきました。
「【守ろう子どもと赤ちゃん】の活動を通して多くの人と知り合い、市内で様々な市民活動が行われていることを知りました。他の活動グループと交流が生まれて、横のつながりの力が育ってきています。
岡崎に住むみなさんにとって、防災がごく『当たり前』のものになり、日常の中で自然に実践できるようになったらいいですね。掃除や買い物のついでに家具の固定や防災グッズの補充など、防災対策を普通に行えることが理想。そんなママ達がもっと増えるように、これからもこの活動をがんばっていきたいです」
3人のお子さんを育て、家事も仕事も、防災活動も楽しんでこなす荒木さんの姿からは、力強さと眩しい輝きが感じられました。

(撮影協力:厚切りニクバル BLUE BEAR)
  • 岡崎
  • 宣言
人のつながり

人のつながり

私の知る全ての人が、明日も未来も笑顔でいられますように

地域の人と人のつながりは、昔からずっと続いてきた大切なもの。今、こうやって防災活動を行うなかで、人のつながりはとても素敵なものだとあらためて感じます。ママたちのつなげる防災活動【守ろうこどもと赤ちゃん】を始めた頃は、「自分達のために」という思いでしたが、今は「私に関わる全ての人のために」という思いで活動しています。より多くのかたに、私達の活動を知っていただき、講座に参加したり、ブログを読んだり、気軽に防災を生活に取り入れていただけたらうれしいです。全ての人がずっと笑顔でいられるようにという願いをこめて、これからもこの活動を大事にしていきたいと思っています。