公開日:2017.09.19
まなぶ
岡崎公園内の岡崎城と三河武士のやかた家康館にて、「薄桜鬼 刀剣録 ~幕末維新の刀剣展~」が開催(7月15日~10月1日)されています。これは、新選組など幕末を題材にしたゲーム「薄桜鬼」とのコラボレーションで、沖田総司をはじめとする登場人物が持っていたとされる刀剣や同じ刀匠の作品などが一堂に集められ、キャラクターのパネルと共に、とても充実した魅力的な展示内容となっています。
約150年前の幕末から明治維新にかけての時代は、西洋から銃器が入りはじめ、日本刀の歴史が大きく変わる時期でした。そして、その頃活躍した新選組の志士たちは、まさに自らの心意気を刀剣に託して、激動の日々を生きていました。
約150年前の幕末から明治維新にかけての時代は、西洋から銃器が入りはじめ、日本刀の歴史が大きく変わる時期でした。そして、その頃活躍した新選組の志士たちは、まさに自らの心意気を刀剣に託して、激動の日々を生きていました。
刀剣の鑑定や鑑賞の基本となる「五ケ伝」
刀剣の鑑定や鑑賞では、五ケ伝という区分が基本に用いられています。五ケ伝とは、平安時代末期から約600年ほど続いた古刀期において、山城(京都府)、大和(奈良県)、備前(岡山県)、相州(神奈川県)、美濃(岐阜県)を産地として発展し、全国に広がっていった作風を分類・整理した伝書のことです。この五ケ伝により、各時代の刀の特徴や刀工の個性がよくわかり、現在も重宝されているそうです。
鎌倉時代の「刀剣 正家」は必見!
日本刀初心者講座は若い女性で大盛況
今回、日本刀の黄金期といわれる鎌倉時代の刀剣が展示されています。それは、新選組筆頭局長の芹沢鴨のコーナーに展示してある刀剣「正家」です。鎌倉時代後期(13世紀)に備後国(広島県)三原鍛冶頭領の正家によってつくられた刀で、国の重要美術品として指定されています。
「この正家の刀は、重厚感があって、姿もとても美しい。今回の展示の中でも一番好きな刀ですね」と、語ってくださったのが、日本美術刀剣保存協会三河支部の永田光司さん。永田さんが、展示室で説明をされると、途端に人が集まり、真剣な表情で話を聞いています。アニメ好きの刀剣女子と呼ばれる若い女性も多く、キャラクターの性格と永田さんの刀剣の説明をリンクさせて、とても興味深そうに笑顔で頷いていたのが印象的でした。
また、永田さんは8月20日に開催された今回の特別講座「日本刀初心者講座」の講師も担当されました。この講座は、募集開始から数分で満席になり、あまりの人気ぶりに定員を少し増やしたそうです。そして、受講者の6~7割が女性で、千葉県や奈良県など県外からも参加されるかたがいらっしゃったとのこと。
「この正家の刀は、重厚感があって、姿もとても美しい。今回の展示の中でも一番好きな刀ですね」と、語ってくださったのが、日本美術刀剣保存協会三河支部の永田光司さん。永田さんが、展示室で説明をされると、途端に人が集まり、真剣な表情で話を聞いています。アニメ好きの刀剣女子と呼ばれる若い女性も多く、キャラクターの性格と永田さんの刀剣の説明をリンクさせて、とても興味深そうに笑顔で頷いていたのが印象的でした。
また、永田さんは8月20日に開催された今回の特別講座「日本刀初心者講座」の講師も担当されました。この講座は、募集開始から数分で満席になり、あまりの人気ぶりに定員を少し増やしたそうです。そして、受講者の6~7割が女性で、千葉県や奈良県など県外からも参加されるかたがいらっしゃったとのこと。
本物の日本刀はとっても重くて、
ドキドキしました
この初心者講座に参加されたという県内在住の尾﨑さんは、「実際の日本刀を手にする機会ってなかなかないので ドキドキしました。日本刀みたいなものって展示ケースに入っている状態で観るより、やっぱり手に取って観た方がいいんだなと思いました。手に取らないと重さまでは感じられないですもんね。講師の方のご厚意で10振ほどの日本刀を持たせてもらえたので、時代ごとの違いも観ることができました。せっかくなので次回は観賞作法を知りたいなと思いました。やっぱり日本刀は危ないですし、作法は大事ですよね。今は刀剣乱舞などで、日本刀が若い女性に人気なのは知っていましたが、受講生のほとんどが女性なのには驚きました。次回を楽しみにしています」と、嬉しそうに語ってくれました。
岡崎美刀会も展示に協力して、特別展を応援
今回の展覧会に、所持品の刀剣を出品協力しているのが、岡崎美刀会の安立公さんと鈴木重伯さんです。安立さんは、長年東京で刀剣業界に携わったあと、岡崎に戻られてからも刀剣業界の重鎮として、愛刀家のかたたちに慕われています。
「昭和48年頃、康生町にあった松坂屋岡崎店で第1回の<庶民の愛刀展>を企画しました。あれから、随分と月日がたちましたが、これからは、もっと若い人たちにも刀剣の楽しみ方を伝えていかないといけない時期にきていると思っています。マンガやゲームがきっかけでも、そこから刀剣に興味を持ってもらえることで、よりいっそう学びが深まり、日本文化の技を後世に残していけるということにつながっていきますよね。新しい時代にあわせて、私たちも考え方を変えていくことが、刀剣の未来をつくっていくのではないかと実感しています」と、優しく語る安立さん。
また、鈴木さんは「岡崎美刀会は、平成28年10月から12月に三河武士のやかた家康館で行われた<美濃と尾張の名刀展~美濃を源流とする刀工たち~>の展示協力をきっかけに、安立さんを中心として発足準備会を設立しました。日本刀の世界は、個人の利益や自己満足を目的に設立された刀剣会も多く、相互協力を考えることも少なく、多くの会が解散や孤立の道をたどっています。しかし、これからは、地域で日本刀の魅力を広げていくためには、もっとお互いの垣根を乗り越えて、理解し合いながら良好な関係を保つ心遣いが必要だと思っています」と真摯に語ってくれました。
そして、今後は、もっと広く市民にも日本刀の魅力を伝えていきたいそうです。ぜひ、刀剣鑑賞会などで、その楽しみを紹介していただけることを期待しています。
「昭和48年頃、康生町にあった松坂屋岡崎店で第1回の<庶民の愛刀展>を企画しました。あれから、随分と月日がたちましたが、これからは、もっと若い人たちにも刀剣の楽しみ方を伝えていかないといけない時期にきていると思っています。マンガやゲームがきっかけでも、そこから刀剣に興味を持ってもらえることで、よりいっそう学びが深まり、日本文化の技を後世に残していけるということにつながっていきますよね。新しい時代にあわせて、私たちも考え方を変えていくことが、刀剣の未来をつくっていくのではないかと実感しています」と、優しく語る安立さん。
また、鈴木さんは「岡崎美刀会は、平成28年10月から12月に三河武士のやかた家康館で行われた<美濃と尾張の名刀展~美濃を源流とする刀工たち~>の展示協力をきっかけに、安立さんを中心として発足準備会を設立しました。日本刀の世界は、個人の利益や自己満足を目的に設立された刀剣会も多く、相互協力を考えることも少なく、多くの会が解散や孤立の道をたどっています。しかし、これからは、地域で日本刀の魅力を広げていくためには、もっとお互いの垣根を乗り越えて、理解し合いながら良好な関係を保つ心遣いが必要だと思っています」と真摯に語ってくれました。
そして、今後は、もっと広く市民にも日本刀の魅力を伝えていきたいそうです。ぜひ、刀剣鑑賞会などで、その楽しみを紹介していただけることを期待しています。
日本刀に興味をもつきっかけは何であれ、まずはそこからが知ることの第一歩につながります。長い歴史の中で培われてきた日本の刀剣の技術。刃文や拵え、姿かたちなど、さまざまな角度から奥深い世界を楽しむことができます。ぜひ、「薄桜鬼 刀剣録 ~幕末維新の刀剣展~」へ足をお運びください。