学校が「まち」になる!城南CITYカーニバル

公開日:2018.11.12     "〇にナる" 岡崎まちものがたり
城南小学校の秋の恒例行事「城南CITYカーニバル」が、今年も10月26・27日の2日間にわたって行われました。みんなで働き、学び、遊び、楽しむ学校の中の仮想都市・城南CITY。いったいどんな「まち」なのでしょうか。
  • 校内の看板や案内表示は4か国語対応

    校内の看板や案内表示は4か国語対応

  • 城南CITYの「市民カード」と「おしごとカード」

    城南CITYの「市民カード」と「おしごとカード」

  • この日は教室が店に早変わり

    この日は教室が店に早変わり

  • 落し物の問い合わせや困りごとは「城南ポリス」へ

    落し物の問い合わせや困りごとは「城南ポリス」へ

年に一度のカーニバル
城南小学校は1977年(昭和52年)、六名・羽根・岡崎・六ツ美北部の4学区から分離する形で誕生した学校です。新しい学区をひとつにしようと、早い時期から地域活動や世代間交流が盛んに行われてきました。また、外国出身の児童が市内でも特に多いため、多文化の共生の取り組みにも力を入れてきました。そんな学校に多くの人が来たくなるようするにはどうすればいいか、また、みんなで支え合う理想の暮らしを実現するにはどうしたらいいかをみんなで考えようと行われているのが、2005年(平成17年)に始まった城南CITYカーニバルです。

この行事では、学校全体がひとつのまちに姿を変えます。「城南CITY」と名付けられたこのまちは、各学年と特別支援学級およびPTAが開く19のお店・施設で成り立っています。特徴はお店に「遊ぶお店」と「働くお店」の2種類があること。そして働くお店の中に、まちを円滑に動かすための「公共施設」があることです。
  • 「城南ハローワーク」で仕事探し。人気の職業は順番待ちも

    「城南ハローワーク」で仕事探し。人気の職業は順番待ちも

  • 「くつばこぴかぴかやさん」で働く市民

    「くつばこぴかぴかやさん」で働く市民

  • ジョナーの引き出しは「城南バンク」へ。行員もハローワークで仕事を見つけてきた市民

    ジョナーの引き出しは「城南バンク」へ。行員もハローワークで仕事を見つけてきた市民

  • これが城南CITYの通貨「ジョナー」だ!

    これが城南CITYの通貨「ジョナー」だ!

  • さあ、遊ぶお店へ!こちらは2年生の「わくわくハッピー“すてき”ショップ」

    さあ、遊ぶお店へ!こちらは2年生の「わくわくハッピー“すてき”ショップ」

みんなの力で「まち」は動いている
どうすればこの城南CITYで楽しい一日を過ごせるのでしょうか。市民である子どもたちの動きを追ってみましょう。

市民はまず「城南ハローワーク」へ向かいます。ここは実社会のハローワークと同じく仕事を紹介してくれる場所。掲示された「働くお店」の中から好きな仕事を選び、職員から「おしごとカード」を受け取ってそのお店へ出勤します。

そのお店での仕事を終えると、お店の人から「市民カード」にスタンプが押してもらえます。そしたら次は「城南バンク」へ。窓口では銀行員がカードをチェックし、ひとつの仕事に対して1枚の「ジョナー」が渡されます。これは城南CITYで流通している公式通貨。1ジョナーにつき1回「遊ぶお店」を利用することができるのです。

世の中にはいろいろな仕事があり、頑張って働けばお金を手にすることができる。そのお金で遊ぶことができる一方で、その遊びを提供する人たちもいる。そんな社会や経済の仕組みを、このカーニバルでは楽しみながら自然に学ぶことができるようになっているわけです。
  • 1年生の「まほうつかいのせかい」。魔女の制服で「いらっしゃいませ!」

    1年生の「まほうつかいのせかい」。魔女の制服で「いらっしゃいませ!」

  • 3年生の「うさぎとたまごのたまてばこ」の来場者には素敵なおみやげが

    3年生の「うさぎとたまごのたまてばこ」の来場者には素敵なおみやげが

  • 学区全域を調べた4年生による「命を守る防災マップづくり」

    学区全域を調べた4年生による「命を守る防災マップづくり」

  • 5年生の「ふだんのくらしのしあわせ」は解説も体験も充実

    5年生の「ふだんのくらしのしあわせ」は解説も体験も充実

  • 6年生の「城南を知ってQ」は実物にさわって楽しめるミュージアム仕立て

    6年生の「城南を知ってQ」は実物にさわって楽しめるミュージアム仕立て

  • 2日間を振り返る「エンディングステージ」も趣向を凝らした楽しい内容

    2日間を振り返る「エンディングステージ」も趣向を凝らした楽しい内容

  • カーニバルの最後に願い事を記した紙を付けた「夢風船」を大空へ!

    カーニバルの最後に願い事を記した紙を付けた「夢風船」を大空へ!

さまざまな工夫で「おもてなし」
城南小学校には、例えば4年生なら「防災」、6年生なら「歴史」など学年ごとに設けたテーマを1年かけて学ぶ「けやき学習」という授業があります。城南CITYのお店は、その授業で知ったこと、考えたことを市民や来場者に伝えることも大きな目的のひとつです。

しかし、単なる研究発表にとどまらないのがここの市民たちの凄いところ。手作り制服で出迎えたり、クイズ形式にしたり、モノや動物にふれられるようにしたり、お土産を渡したり…と、どのお店も来店者に楽しんでもらえるよう市民たちのアイデアがふんだんに盛り込まれています。福祉をテーマにした5年生の遊ぶお店「ふだんのくらしの幸せ」に設けられた点字打ち体験や、目隠しをして障害物のある道を歩く体験のコーナーは、大人でも目からウロコでした。

たっぷり働いてたっぷり遊び、自分たちのまちを満喫した2日間。城南CITYの市民たちが大人になったとき岡崎市はどんなまちになるのか、今から楽しみです。
○取材協力:岡崎市立城南小学校
○関連学区まちものがたりリンク
15城南学区まちものがたり

インフォメーション

場所:愛知県岡崎市城南町1-11